2016年12月26日月曜日

第165回 音を楽しむ会

 12月の音を楽しむ会は大黒屋歌劇団による第3回公演、プッチーニのオペラ「トスカ」でした。
 今回はオペラの世界で活躍する歌手、ピアニスト、指揮者の皆さんに加えて、大黒屋合唱団も出演しました。大黒屋合唱団はお客様とスタッフによる団員で構成されており、今回のオペラの指揮者でもある中橋健太郎左衛門さんの指導の下、毎月練習をしています。



  トスカ役、ソプラノの林真悠美さん。



 カヴァラドッシ役、テノールの佐々木洋平さん。



 スカルピア役、バリトンの髙橋正典さん。



 ピアノの松岡なぎささん。



 そして、指揮の中橋健太郎左衛門さんです。


 



 林さんの若さと、美しい高音で歌う姿はヒロインのトスカにぴったりです。
 1時間の中で物語は大きく、激しく展開しました。怒り、悲しみの場面ではこちらにも緊張感が伝わってきます。皆さんの華やかで情熱的な演技に惹きつけられました。


 大黒屋合唱団も少しの間ではありましたが序盤に登場し、大きな盛り上がりを見せました。


 今年の音を楽しむ会もこれで最後です。1年の締めくくりに相応しい、贅沢な公演になりました。




 
 2017年最初の音を楽しむ会は1月26日(木)、津軽三味線の佐藤通弘さんです。
お楽しみに!!

2016年12月21日水曜日

冬至に柚子湯

師走も半ばを過ぎ、今年もあとわずか。
板室の長い冬も少し日差しでやわらぐ本日は、柚子湯です。



冬至は一年で最も日が短い日。という事はすなわちこれから日が長くなっていく、
すなわち命が蘇ってくる良い兆しという事です。
太陽風呂にはさんさんと降り注ぐ命の光。さわやかな柚子の香り。
陽の気で充ち溢れています。


柚子湯には本来運気を上げるための禊という意味があったそうです。
柚子の強い香りのもとには邪気が起こらないという。

もちろん柚子の芳香によるリラックス効果、皮のエキスによる美肌効果もあります。
普段のお湯に比べて温かさも長く続くとのこと。
地元の柚子農家さん、また万葉柚子の会さんから香りの素晴らしい柚子を
いただいています。



板室の温泉はぬる湯なので長湯ができ、柚子湯のここちよさもゆったりと味わうことができます。
悪い運が逃げていき、温かくてよい運がやってくるかもしれませんね。



2016年12月11日日曜日

休館日のお知らせ

【休館日のお知らせ】
12月7日(水)ー12月16日(金)の間、施設の点検、メンテナンスの為、全館休館となります。
休館日中は電話のお問い合わせ等も繋がりにくいことがあることがございますが予めご了承ください。
ご予約は公式HPから

2016年12月5日月曜日

星降る板室 ~星空の観望会~

すばる、オリオン座、冬の大三角形…
空気が澄み、人工の光の少ない板室は隠れた星の絶景ポイントです。





晴天の日、一足縁側に出れば夏は天の川、冬は大きな星々…
満点の星による天体ショーを見ることができます



現在は木庭「風の耕路」からおうし座の散開星団であるプレアデス星団
和名「すばる」がきれいに見えています。中央やや左のいくつか星が集まっている
星がすばるです。



東の山の端を見ると、稜線から真横を上にしてまさにのぼろうとしている
オリオン座のリゲルとベテルギウス、三ツ星が見えます。



右下の赤い線はUFO…ではなく北に板室上空を通って向かう飛行機です。
飛行機は高速で動いているので写真には線状に写ります。



このあと、冬に向けて晴天の日はおおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオン、
オリオン座のベテルギウスが作る冬の大三角形が美しく、流れ星や天の川も
見ることができるでしょう。1年中飽きることないのが星空ですが、
冬の澄んだ空気に恵まれて、これからはより美しい季節です。




晴天の日には不定期で「ナイトツアー『星空の観望会』」を開催しています。
ガイドが星空をご案内しますので、運よく晴天の日にお泊りの際は
ぜひご参加くださいませ。運が良ければ国際宇宙ステーションが板室を通過する日も
ございます。

もちろん、縁側から空を見上げるだけでも多くの星が見えますよ。

2016年12月1日木曜日

12月 大黒屋コレクション・酒器展

本日から大黒屋サロンにて「大黒屋コレクション・酒器展」が始まりました。



大黒屋にゆかりのある作家12名による酒器にスポットを当てた展示です。



ぐい吞み、片口など日本酒の酒器、グラスやゴブレットなど洋の酒器など
クリスマス、お正月など大切な集まりには欠かせない多種多様なお酒に
まつわる器が集まりました。
今年初めて参加となる作家は3名です。


髹漆の重要無形文化財保持者(人間国宝)小森邦衛さん。2014年の個展で高い
技術により漆工芸の真髄を見せてくださいました。本展では普段使いのできる
盃を多く出品。人間国宝の技をご家庭で味わう機会となっております。



備前焼の里伊部で作陶を行う小山厚子さん。ひしゃいだり、ゆがんだりと豪快な
器の形と、火襷など備前の技を駆使しつつ「異色の備前焼」と呼ばれる斬新で奔放な
表情が特徴。大黒屋では初めてのご紹介、ぜひ手に取っていただきたい作品です。



ガラス作家瀬沼健太郎さん。花草木とともに活きる独特な質感、肌合いの花器で
知られる瀬沼さんですが、本展では銀箔を用いた渋い風合いの作品を出品しています。
箔とガラスが相互に生み出す独特の質感は手近にご覧いただきたい作品です。

昨年から続けて出品していただいている作家は9名。



7月の個展で好評をいただいた安齊賢太さん。


福島で作陶する伊藤文夫さん。



5月の個展では大型のオブジェも出品しました加藤委さん。



大黒屋のお膳で多く使用され、長く親しまれています笠間のガラス工芸家杉山洋二さん。



大黒屋入口のガラスの庭の作品「ヒカリ溢ルル」作者の西中千人さん。



来年オブジェによる個展を開催予定の宮澤章さん。



独特の赤絵、彩色で知られる松田百合子さん。



粉引の作品で知られる吉村昌也さん。



益子の土にこだわって制作を行う若杉集さん。

コレクションは菅木志雄に加え山本雄基、磯谷博史、津田久美恵など
若手作家の作品を中心に展示しております。






酒器、現代美術の共演。会期は1月5日までです。
ぜひお運びください。

2016年11月27日日曜日

第164回 音を楽しむ会

 11月の音を楽しむ会はチェロの黒川正三さん、ピアノの黒川文子さんでした。お二人には7月の青木高志さんの音を楽しむ会にもご出演いただきました。
 

今回はヨーロッパをはじめとする様々な国の曲で構成されたプログラムでした。情熱的であったり、悲しみに打ちひしがれる曲であったり、貧しい人達の哀感や力強さ、ユダヤ人の厳しい宗教の世界など…それぞれの国の民族色や宗教色があらわれており、素晴らしい演奏でした。



 黒川さんのチェロとピアノは、曲の盛り上がる場面では息もぴったりに共鳴し、静かで切ない調子では優しく寄り添うような柔らかさがありました。











 

 次回の音を楽しむ会は12月26日(月)、中橋健太郎左衛門さん率いるオペラの演奏です。お楽しみに!

2016年11月19日土曜日

和のしつらい展 アートを語る会

 現在サロンで開催中の「和のしつらい展」から染色の久保紀波さん、日本刺繍の飯島桃子さんによるアートを語る会が行われました。


 もともと大学で染色を学んでいた久保さん。作家になろうとしていましたが、企画的なことをしたいと思い立ち、扇子を作る会社で働くようになります。染色を仕事にすることができて、自分の日本画の制作もできるということもあり、9年間扇子の企画をしていました。


 飯島さんは大学では油絵の学科の出身です。日本刺繍は絵にも通じるところがあり、手先が器用ということもあって、美大を卒業した後先生を探し、弟子入りすることで十数年学んできました。伝統工芸をやりたいというよりも、自分の作品を作りたいという思いがありました。
 

 こちらの日傘は 柄が長く、小ぶりで特徴的な形をしています。久保さん自身が麻素材の白い日傘が欲しいと思い探したときに、なかなか良いものが見つからなかったことから作ることになりました。
 手織麻に 柄は桜の木、軸は樫の木を使っており、良い素材にこだわるだけでなく、着物を着たときに姿がとても美しく見えるのも魅力です。


 自分たちの得意分野や、過去に勉強してきたことをどう仕事にするかは非常に難しい選択ですが、思い切って方向転換したことでこのように創り続ける道を拓いたのです。


 最後に制作する上で3つのキーワードとなる言葉をいただきました。

 飯島桃子   ◯ 生き生きと のびのびと

        △ リズムよく
        ◻ 色の組み合わせを楽しむ

 久保紀波   ◯ 欲する
        △ 作る
         ◻ 伝える



 和のしつらい展は11月29日(火)までです。ぜひお運びくださいませ。

2016年11月1日火曜日

11月 和のしつらい展

本日から大黒屋サロンにて「和のしつらい」展が始まりました。
本展は久保紀波さん(染色)、飯島桃子さん(日本刺繍)、峯史仁(組紐)、
石塚智之さん(絵)の4名の作家が出展しています。


現代の生活の中で少しずつ失われつつある、四季折々の暮らしに関わるしつらい。
大事にしたい文化の担い手である4名の作品が一堂に会しました。


展示は売店の中にも。今月は和の風情です。



染色の久保紀波さんは草木染めの絞りや型染めの帯、 小袋を出品。
草木独特のやわらかで味わい深い色味に、絵の石塚さんとの共同の作品もあります。
久保紀波さんはアトリエkinamiの主催でもあり、和装の際に立ち姿がすっきり美しく
見える日傘や扇子など、着物を着る生活の楽しみも提案してくださっています。


飯島桃子さんの刺繍は専用の道具とよりのかかっていない糸を用いる日本刺繍の
手法で、飯島さんの得意とする鳥や動物の文様が多く用いられた作品が出品されています。
ご自分で糸を染めることもあるとのことで、1針1針緻密に製作された作品は
近寄ってみることで独特のぼかしのような風合いも見えてきます。


組紐の峯さんの作品は全て作家自身が採取してきた野の草木によって染められたもの。
色とりどりの糸でできた紐は意外な植物で染められていることも。
「きのこブルー」とよばれる天然の染料には珍しい鮮やかなブルーはきのこによって
青く変色した朽木をに出してえられる色。組紐1本1本に長い時間と高い技術が
感じられます。



絵の石塚さんは墨絵を主に手がけ、様々なものに墨絵や彩色で絵を施した作品を
出品しています。桐箱に絵を施した作品は縁起物や昔話、墨絵の猫が描かれており
内側にも物語がつながっているものも。お正月の羽子板も色鮮やかに展示され、
早くも新年の気配を楽しめます。


18日には久保紀波さん、飯島桃子さんによるアーティストトークが
20:00〜開催されます。是非お運びくださいませ。


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