2022年10月26日水曜日

第227回 音を楽しむ会

 10月の音を楽しむ会は独立研究者 森田真生さんによるトークライブ「数学の演奏会〜遊びながら考える〜」を行いました。

普段は京都を拠点に研究・教育・執筆のかたわら、国内外で「数学の演奏会」や「数学のブックトーク」などのライブ活動をされている森田さん。今回は、「習慣の変化」について話して頂きました。

日常生活で、「今やっていることは誰かのために、ないしは自分のためにもなっているのだろうか」と悩み、考える時が一度はあると思います。しかし、森田さんは「自分の営みがどこかで誰かのためになっている」、ここに生態系の面白さがあると言います。

この面白さを、大黒屋では10月末から見頃を迎える紅葉に例えて以下のお話をされました。

人は植物の色彩を見て感動しますが、植物は人を感動させるために色付いているわけではありません。冬支度をするために、葉のクロロフィルを分解して養分に変え、活動エネルギーを幹に送っているだけだそうです。つまり、植物が生きるためにしていたことが、結果的に、人を感動させることに繋がっているのです。 

「習慣にある自由を解きほぐしていけば、生きているとより実感できるのではないか」と仰られた森田さん。日常生活にある小さな違和感にも目を向け、「思考」し、習慣に変化が生まれる。その習慣の変化の中に生活を豊かにするヒントがあるのではないかと感じた音を楽しむ会となりました。





次回の音を楽しむ会は11月26日、ヴァイオリン 新村隆慶さんによる演奏会です。

どうぞお楽しみに!


2022年10月6日木曜日

2022年9月 五月女哲平展

 9月30日より大黒屋サロンにて、五月女哲平さんの個展「入口のないかたち 」を開催しております。


 大黒屋では初めての個展となる本展は、近年発表してきた作品群に新作を加えた全19点で構成されます。五月女は、1980年栃木県生まれ、東京造形大学美術学部絵画科卒業。初期は立体作品を手がけおりましたが、2009年頃からは絵画を中心に、時に立体や写真など織り交ぜながら作品を発表しています。変形キャンバスの使用や壁かけ以外で展示する方法、映像なども手掛けつつ、アクリルや写真、ガラス、シルクスクリーンなどの異なるメディウムの積層から作品の成立を試みるなど、絵画の物質的/概念的な解体と再構築を繰り返しながら、そこに自身がとらえた事象を介在させ、現代における絵画の在り方を模索しています。また2011年の東日本大震災後に、それまでの鮮やかな色彩を排した作品を発表して以降は、モノクロや黒を基調とし、モチーフを使うことをやめ絵画の要素を排除していくような作品を制作しています。


 単にモノクロームな色でミニマルに描かれる単純で無機質な絵画のようであるが、実際にはさまざまな色(薄く溶いたアクリル絵の具)を塗り重ねた後、最後の層に無彩色を塗ることで、積層された色を覆い隠すように制作されています。そこには目に見えないものへ意識を向けさせるような作家の意図が感じ取れます。本展「入り口のないかたち」では、栃木県にある渡良瀬遊水地で撮影された写真と絵画を織り交ぜた作品「燃え湿るかたち」や、近年手がけている立体作品、最新の平面作品などで構成されています。近年の五月女の仕事が垣間見える展示となります。 この機会にご高覧いただけたら幸いです。 
 

会期 : 2022 年 9 月 30日 (金) - 10 月 30 日 (日) 9:00 - 17:00
作家在廊予定日 : 9 月 30 日、10月30日