2023年12月16日土曜日

2023年12月 Limul 古代ジュエリー展

 12月16日より大黒屋サロンにてLimul-古代ジュエリー展-を開催いたします。


 Limul(リムル)を主宰する片桐光治さんは学生時代にネパールで一年間、文化人類学の現地調査をするなかで特に印象を受けたネパールの金細工と金細工師との出会いをきっかけに現在の古代ジュエリーデザイナーの道を選びました。


 Limulのジュエリーは古代文明の遺跡から発掘された玉石やトンボ玉を使って現代の美意識に合うようにリメイクしています。主にエジプト・メソポタミア・インダス・ローマなどの遺跡から発掘された玉石(珠)・トンボ玉などにハンドメイドの18K&22K金細工、銀細工を使っています。また現代の新しい素材も使用していますが、ひとつひとつ古代の素材と合うように丁寧に吟味した天然素材のみを使用しています。(着色の石・パール・練り素材はありません)



 「人が身を飾ることの原点」を想いながら研究・創作を続けている片桐さんは「ジュエリー(装身具)には人・自然・宇宙とのつながりが込められています。遥か昔の名もなき職人が作った小さな玉のひとつひとつが、様々な文明・民族の興亡(歴史)・社会経済(交易)・技術革新・芸術・宗教を豊かに語りかけてくれます。」

今から約10万年も前から人々は、装身具を身につけていたと言われています。太古の歴史を刻むビーズや現代に蘇る繊細な金細工が片桐さんの手によって紡がれ新たなジュエリーとして引き継がれ蘇った作品をぜひ身につけていただけたら幸いです。



会期 : 2023 年 12 月 16 日 (土) - 1月 8日 (月) 9:00 - 17:00               
※展示は宿泊以外の方もご覧いただけます。

2023年11月26日日曜日

第237回 音を楽しむ会

2023年最後の音を楽しむ会はソプラノ 西田真以さん、ピアノ 吉本有佑さんによる演奏会を行いました。



今回の演目は...


〈 5つのGiuseppe Verdi 1813〜1901(ジュゼッペ・ヴェルディ)のオペラから 〉


◯「椿姫」より 乾杯の歌(1853年)


(Brindisi  from La Traviata)


◯「海賊」より 私の頭から暗い考えを(1848年)


(Non so le tetre immagini  from Il Corsaro)


◯「ルイザ・ミラー」より 神よ、私を罰してください(1849年)


(Tu puniscimi, o Signore   from Luisa Miller)


◯ マスカーニ作曲 カヴァレリア・ルスティカーナ間奏曲(ピアノソロ)


◯「イル・トロヴァトーレ」より 穏やかな夜、美しい月が(1853年)


(Tacea la notte placida  from Il Trovatore)


◯「オテロ」より 柳の歌〜アヴェ・マリア(1887年)


(Canzone del Salice 〜 Ave Maria  from Otello)


◯アンコール



夕食前にお飲み物を片手に楽しんで欲しいということで「椿姫より乾杯の歌」で開演しました。

ソプラノだけではなく、マスカーニ作曲「カヴァレリア・ルスティカーナ間奏曲」をピアノソロで演奏。吉本さんの美しく澄んだ音色に聞き入りました。

曲間には曲の時代背景、作曲者の人柄など曲の説明もあり、お二人の演奏を楽しむだけではなく、曲について理解し、より深く音楽を楽しむことができました。

「オテロより柳の歌〜アヴェ・マリア〜」は約15分と長尺で、オテロの妻であるデズデモーナの嘆きを表現しています。曲中には照明を落とし、明かりを持って登場する演出もあり、オテロの世界へと一気に引き込まれます。西田さんの表現力の高い歌声と、吉本さんの繊細なピアノの音色に魅了された一曲でした。

西田さんの凛としていて心に響く歌声と吉本さんの精妙かつ温かい音色を堪能した楽しむ会となりました。





次回の音を楽しむ会は2024年1月26日(金)、笛方 福原寛さんによる演奏会です。

どうぞお楽しみに!

※2023年12月は休演です。


2023年11月2日木曜日

2023年11月 志村睦彦・宮岡麻衣子展

 板室温泉大黒屋では11月2日より大黒屋サロンにて「志村睦彦・宮岡麻衣子 展」を開催しております。

志村さんは日本料理の調理師時代に陶芸を始め、愛知県窯業高等技術専門学校卒業後、瀬戸の長江惣吉氏に師事。中国古陶磁の発掘などを経て、東京都青梅市にて宮岡さんとともに花月窯を開かれました。


宮岡さんは武蔵野美術大学油絵学科を卒業後、愛知県窯業高等技術専門学校で陶芸を学ばれ、古陶に思いを寄せたうつわを丹念に作られています。



 志村さんと宮岡さんお二人のよる大黒屋では初めての展覧会。粉引、三島、青磁、白磁、染付、瑠璃釉など、日常のうつわ、また一点ものの花器や大皿など展示いたします。高麗や李朝、古伊万里がお好きなお二人の美しくたおやかにに力強い作品。

ぜひこの機会にご高覧ください。


会期 : 2023 年 11月 2 日 (木) - 11月 26 日 (日) 9:00 - 17:00
※展示は宿泊以外の方もご覧いただけます。

2023年10月26日木曜日

第236回 音を楽しむ会

10月の音を楽しむ会はヴァイオリン 新村隆慶さんによる演奏会を行いました。

「空間に呼応する音」を追求する新村さん。ヴァイオリン以外にも、フィンランドの民族楽器である、カンテレ、トイピアノ、古楽器サルタリー(プサルタリー)など様々な楽器を使い、この場の空気に呼応するように、ここだけの音が作られました。

一音一音どの音を集中して聴くかで、感じ方が変わる新村さんの演奏。

会の最後にはルーパーを使い即興曲を披露。音と対話するように、音を聞き、音を重ね、ひとつの音楽が出来上がりました。

水や鈴など身の回りにあるものも、「物」から「音」として認識することで、音楽になり、物の価値に奥行きが生まれるのだと感じました。

新村さんの繊細で多彩な音色に聞き入った音を楽しむ会となりました。





次回の音を楽しむ会は11月26日(日)、ソプラノ 西田真以さんによる演奏会です。

どうぞお楽しみに!



2023年9月29日金曜日

2023年10月 上野 友幸展

 板室温泉大黒屋では、9月29日より上野友幸展「Borrowing landscapes, Borrowing livesを開催しております。

上野さんは、東京芸術大学大学院先端芸術表 現修士課程修了後に渡独。ベルリン芸術大学にてマイスター課程を修了。現在もドイツ・ベルリンを拠点に活動しています。日常的に存在するものの形態やイメージと歴史的な彫刻的構造や絵画的イメージを対峙又はミックスさせることで、イメージや彫刻が認識に与える原理、特性について探求しています。


以下作家による展示に向けて、


「今から丁度3年前の2020年に板室温泉大黒屋の個展に招待され、私は活動場所のベルリンから板室へ行き、最初の二週間を裏山で過ごした。誰も通ることのない険しい道は10m毎に崩れている。もし、自分がこの崖から落ちても発見されないのではないかという心配と、自然との一体感をいつも同時に感じていた。コロナで病院で死ぬのとは違い、ここで死ねば土に還り、生命が循環する山の一部になれると思った。それは街中で感じる死の意識とは全く違う。枯れ枝を拾ったのはその枝もまた土に還ろうとしていて、その流れに触れたいと思ったからかもしれない。
 大量の枝を繋ぎ合わせた作品は朽ちていくことを暗示させると同時に、生命の連なりや、関係、繰り返される生命を感じとることも出来るだろう。森が一つ一つの木から構成されているように、その木も数億年前から受け継がれてきた命であるように、繰り返されるパターンにはこの世を構成する普遍性があると言える。枝を探して森を歩いていると、毎回自分が自然の一部になったような感覚になる。これまで素材をお店やオンラインで購入していたことに対し、この制作は自分の体を使って自然の中から発見・収集し、生きることと制作することが一致した感覚を覚えた。一般的に販売されている素材は制作しやすいように加工されている。クリエイティブなのはそれを利用する側ではなかったのかもしれない。自然の中に芸術を見出せたときに、芸術は生活の一部になり得るのではないだろうか。
 日本は古来から自然を信仰してきた。鎮守(ちんじゅ)の森とは境内やその周辺に、神殿や参道、拝所を囲むように設定・維持されている森林である。本来の神道の源流である古神道には、森林や森林に覆われた土地、山岳・巨石や海や河川など自然そのものが信仰の対象になっている。
 一方、西洋ではどうか。聖書をたどると、アブラハムは木の下に祭壇を築いたとある(創世記、13・18)。また、イエスは神の国を「からし種」に例えて説明し、それを「捲くと、成長してどんな野菜よりも大きくなり、葉の陰に空の鳥が巣を作れるほど大きな枝を張る」と説いた(マルコ、4・30-32)。このように、天上と至聖所、すなわち聖堂を樹木などの植物の比喩を介して関連付ける記述が散見する。樹木を模したゴシック教会が造られた所以である。
 その後私は土と人類の関係に興味を持ち、陶芸を始めた。土と砂の違いは、腐植物を含んでいるところである。人類のことを英語でhumanというが、腐植のことはhumusという。これらは語源が同じであり、旧約聖書の「土の塵からアダムを作り」という一節にも、東洋の「人は土から生まれ土に還る」という考えにも通じる。
 人もあらゆる生命も、生まれてからいろいろあって土に還る。そんな単純なことを難しくしないで表現することを大切に制作している。」 

                                                

上野友幸


 

 大黒屋では3年ぶり2回目の個展となる本展では、上野さんの代表的な作品でもある大理石プレートと写真を組み合わせたシリーズや、前回板室に滞在することで作品の発想の元になった木の枝のシリーズ、また近年手がけているいけばなのコラージュや陶芸作品など全22点を展示いたします。この機会に、ぜひご高覧いただけたら幸いです。


会期 : 2023 年 9月 29日 (金) - 10月 29 日 (日) 9:00 - 17:00
会期中の休館日:10月 17日,
18日