今回の音を楽しむ会は、ピアノの干野宜大さんでした。
1曲目はシューマンの『クライスレリアーナ』です。シューマンはピアニストにとって特別な存在だと言われています。
幻想的な雰囲気の中に緊張感や激しさがあり、とてもボリュームのある演奏でした。
シューベルトの歌曲『美しき水車小屋の娘』では、粉をひく職人が親方の娘に恋をする物語が描かれています。様々な感情の動きがある中で悲しい結末になってしまうのですが、最後の手前で小川に主人公の若者が「小川よ、どうか慰めておくれ」と語りかける場面があります。
この『若者と小川』ではとても優しい音色が心地よく流れていました。
ベートーベンの最高傑作としても名高い『熱情』。ベートーベンはこのヘ短調の曲を熱情、パッションの表現として作曲したそうです。
ピアノと干野さんが一体となるように弾く姿は圧巻でした。
次回の音を楽しむ会は3月26日(土)、テノール歌手の上原正敏さんです。お楽しみに!