2018年2月26日月曜日

第179回 音を楽しむ会


2月の音を楽しむ会はチェロ 黒川正三さんとピアノ 黒川文子さんによる演奏会が行われました。長年デュオで培ったお二人の息の合った演奏を披露していただきました。

黒川さんは「毎回大黒屋での演奏を楽しみにしています。温泉、食事、野鳥などなど。」と話してくださいました。大黒屋のお庭に集まる野鳥を見てご自身のお庭にも野鳥を集めたいと思い立ち毎朝野鳥に餌やりをした結果、今ではたくさんの野鳥が集まってくるそうです。


1曲目、メンデルスゾーンの協奏的変奏曲 17。メンデルスゾーンがチェロ弾きの弟のために書いた宗教的なテーマを含んだ精神性の深い曲です。チェロとピアノが対話するような掛け合いが続きます。


2曲目、シューマンのアダージョとアレグロ作品 70。前半はゆっくりと曲が進行しますが後半は疾走感と哀感のある激しい曲です。前後半のギャップも相まって魅力的なメロディーが会場に響きます。


3曲目、アヴェ・マリアはバッハの「平均律クラヴィーア曲集 第1巻」の「前奏曲 第1番 ハ長調」を伴奏にシャルル・グノーがラテン語の聖句「アヴェ・マリア」を歌詞に用いて完成させた声楽曲です。チェロとピアノが歌うように美しい旋律を奏でます。


4曲目サンサーンスの白鳥は「動物の謝肉祭」のうちの1曲。パロディーな曲が多い動物の謝肉祭ですがこの曲は静かで綺麗な音色です。

5曲目ラフマニノフのヴォカリーズは歌い手のための曲。速いテンポで曲が進行していきます。

6曲目、ブルッフのコルニドライ。精神性の高いユダヤ教の典礼歌で、序盤が暗く重い音で始まり終盤は明るく晴れやかな音に展開していきます。


アンコールはアメージンググレイス。おなじみのフレーズですが、黒川さんのチェロとピアノの演奏で聴くと新鮮な印象で心に響き渡るようでした。

今回の演奏会で唯一無二のデュオの魅力を存分に体感させていただきました。野鳥もお二人の音楽を聴きにお庭に集まっているのかもしれませんね。





次回の音を楽しむ会は3月26日(月)鼓の藤舎呂英さんです。
どうぞお楽しみに!