3月1日より大黒屋サロンにて黒川大介展が始まりました。
福岡県出身の黒川さんは昨年栃木県市貝町に転居し工房を設立されました。吹き硝子の技法で制作される作品は多様なシリーズで構成され、それぞれに違った表現が特徴的です。
「宙のうつわ」「銀河」「熔変銀河」3種類ある銀河シリーズの作品は銀の粒と色ガラス(青と黒)を用いて作られています。色ガラスと銀の反応を試す中で宇宙の表情が出たことを突き詰めて最初の「宙のうつわ」が生まれ、黒川さんの代表作となっています。光にかざすと黒紫に透けて美しい景色を見ることができます。
口元が切子になっており銀箔を貼り付けた部分に還元炎をかけることでアイボリーの色味を出した「月のうつわ」、粉状ガラスを盛って焼くことを繰り返して月面のような表情を見せる「黒曜」、透明な器にサンドブラストをかけてもう一度焼き内側のテクスチャーに沿って金彩や銀彩を施す「望」と「朔」など様々な技法から立ち現れる作品群は幻想的な空間を作り出しています。
「自分にしか出せない色を出したい」という思いが込められた最新作の「星虹」シリーズでは今までにない赤や緑の色ガラスを用いて新しい星々の輝きが表現されていて、掌のサイズ感を大事にして作られる黒川さんの器からは小宇宙の引力を感じることができます。展示は3月30日(土)まで開催しております、ぜひ会場で作品を手に取ってご高覧ください。
板室は暖かく過ごしやすい気候が続いております、ぜひ大黒屋までお運びください。
会期中の休館日:3月5,6,7, 19,20,21日