3月の音を楽しむ会は鼓 藤舎呂英さん、笛 福原徹彦さん、舞踊 花柳美輝風さんによる演奏会が行われました。
鼓と笛による「飛翔」は一調一管の楽曲、固く結ばれた紐を解くように悠々とした鼓の音と草木が芽吹くように優しげな篠笛の音が鳴り会場の雰囲気を柔らかくしていき、最後は忽然と甲高い能管の音が鳴動して絶妙な緊張感が生まれました。
曲間にはお二人から小鼓と大鼓の構造や歴史、笛の種類として繊細な旋律を表現できる篠笛と鋭く強い音が特徴的な能管など楽しく勉強になる楽器のお話をしていただきました。
「獅子」霧がかる階段の上、霞んだ白い光を浴びた社に降り立つ神々しい獅子、跳躍する勇猛な姿が会場に現れたかのような迫真の鼓と笛の音色が響き、情景と音楽が次々と塗り変えられていく劇的な楽曲展開に衝撃を受けました。
「花」4部構成からなる楽曲で舞踊の花柳美輝風さんが登場、手に持つ扇を目で追っていると紺藍の夜空に輝く月明かりに照らされてゆらゆらと舞う花の姿が視えてきました、それは美輝風さんの舞踊に呼応してひらひらと舞い続け楚々とした一つ一つの立ち振る舞いが絵画のように美しく流れていき、華美な鼓と笛の音がその様相をより鮮明に写していました、音と舞の素晴らしさに感動しました!
美しい鼓と笛と舞を堪能できた音を楽しむ会となりました、ご来場いただいた皆様ありがとうございました!