6月4日より大黒屋サロンにて、新里明士さんの個展「まとりとる」を開催しております。
新里明士さんは、「光器(こうき)」と呼ぶ代表作品、ろくろで成形した白磁の生地に穴を開け、穴の部分に透明の釉薬をかけて焼成することで光を透過した文様が浮かび上がる「蛍手(ほたるで)」の技法を独自に発展させたものであり、うつわ自体がまるで光を帯びているかのような作品で国内外の注目を集めています。近年では2020年に日本陶磁協会賞を受賞されました。
2018年の個展に続き、2回目となる大黒屋での本展「まとりとる」は〈まる〉と〈とり〉のアナグラムであり、野鳥が多くやってくる板室の地の特徴をきっかけに展覧会を構成しております。敷地内の庭にも作品を配置し、野鳥をきっかけとして自然界と自身の作品がどのように共鳴するのかという実験的な展示も行なっています。また陶芸のフィールドで作品発表の機会が多い新里さんは常々やきものを台座から解放することとはどのようなことかを考えています。新たな試みとなる「まる」シリーズは作品を吊るすことによって、台座、または建物から引き離すことで作品の自律性、作品と外の関係性が浮かび上がり作品をひとつのオブジェとしての視点から作品と空間の関係性へと意識を向かわせます。本展覧会は、代表作「光器」と「マル」「Sphere」を組み合わせた作品制作の2面性が垣間見える展示となっております。この機会にぜひご高覧いただけましたら幸いです。
会期 : 2021 年 6 月 4 日(金) - 6 月 28 日(月) 9:00 - 17:00
作家在廊予定日 : 6 月 4 , 28 日
会期中の休館日 : 6 月 15 - 17 日
作家在廊予定日 : 6 月 4 , 28 日
会期中の休館日 : 6 月 15 - 17 日
* 6 月 4, 18 日のみ12時から開館いたします。