2022年4月1日金曜日

2022年4月 手塚愛子展「泉で手を洗う」

 4月1日より大黒屋サロンにて、手塚愛子さんの個展「泉で手を洗う」を開催しております。


 手塚さんは学生時代から絵画を探求するなかで織物に着目し、織物の解体と再構築という一貫した独自手法の作品が 国際的に高い評価を受けています。2010 年からはロンドン、その後ベルリンを拠 点に活動し、長年海外で生活をするなかで自身が感じる日本と西欧との相違や、美術・工芸、近代・現代、過去・現在の対比をコンセプトに据え、歴史上の造形物を引用した作品を手がけており、今年からは東京とベルリンの2拠点で制作をしています。


 本展のメインイメージでもある作品【泉で手を洗う -Wash hands in a fountain- について『この織物は、2015 年にオランダの織物博物館の工房で制作した織物で す。この時期の私の頭  
の中には「手を洗う」「汚染されたものを元に戻す」という イメージが繰り返し繰り返し現  

れました。何故なのかはわかりませんが、福島の原発事故の影響からかもしれません。そして 5 年後、コロナによって「手を洗う」ことが私たちにとって今までと違う意味を持った時、この織物の部分を切り取って新しい作品として制作し直しました。』と言っています。


 本展覧会は、美術館やギャラリーとは違う旅館ということもあり、これまで眠っ ていたアイディアや、過去の代表的な作品、レンブラントの《夜警》をモチーフ とした《華の闇(夜警)》や Dear Oblivion 1(貴婦人と一角獣)などの断片から 引用された作品、また手塚自身初めての試みとなる版画作品と、ベルリンの画家 松原勝彦とのコラボレーション作品など、普段見られない手塚の別の一面も垣間 見える展示となるでしょう。ベルリンと東京で制作した新作 35 点。この
機会に是非ご高覧いただけたら幸いです。 


会期 : 2022 年 4 月 1日 (金) - 4 月 26 日 (火) 9:00 - 17:00
作家在廊予定日 : 4 月 1日
会期中の休館日:4 月 12・13・14 日
* 4 月 1・15 日のみ12時から開館いたします。