10月の音を楽しむ会は独立研究者 森田真生さんによるトークライブ「数学の演奏会〜遊びながら考える〜」を行いました。
普段は京都を拠点に研究・教育・執筆のかたわら、国内外で「数学の演奏会」や「数学のブックトーク」などのライブ活動をされている森田さん。今回は、「習慣の変化」について話して頂きました。
日常生活で、「今やっていることは誰かのために、ないしは自分のためにもなっているのだろうか」と悩み、考える時が一度はあると思います。しかし、森田さんは「自分の営みがどこかで誰かのためになっている」、ここに生態系の面白さがあると言います。
この面白さを、大黒屋では10月末から見頃を迎える紅葉に例えて以下のお話をされました。
人は植物の色彩を見て感動しますが、植物は人を感動させるために色付いているわけではありません。冬支度をするために、葉のクロロフィルを分解して養分に変え、活動エネルギーを幹に送っているだけだそうです。つまり、植物が生きるためにしていたことが、結果的に、人を感動させることに繋がっているのです。
「習慣にある自由を解きほぐしていけば、生きているとより実感できるのではないか」と仰られた森田さん。日常生活にある小さな違和感にも目を向け、「思考」し、習慣に変化が生まれる。その習慣の変化の中に生活を豊かにするヒントがあるのではないかと感じた音を楽しむ会となりました。
次回の音を楽しむ会は11月26日、ヴァイオリン 新村隆慶さんによる演奏会です。
どうぞお楽しみに!