3月3日より大黒屋サロンにて、門田訓和さんの個展「Sculptures 」を開催しております。
大黒屋では初めての個展となる本展は近年発表してきた作品群に新作を加えた全19点で構成されています。
門田は1985年岐阜県生まれ、武蔵野美術大学造形学部彫刻学科を卒業後、2012年京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻を修了。現在は東京を拠点に活動しています。彫刻を専攻した門田は、常々「彫刻とは何か」・「彫刻を見る経験とはどのような経験か」そんな美術の歴史でも根源的な疑問のひとつに真摯に取り組んで作品制作を続けています。
本展「Sculptures」では、写真作品と立体作品で構成されていますが、彫刻を意識しながらも長年、写真による作品制作を通して ’彫刻を見る’ 視点 を意識的に抽出しています。門田の代表的な作品として多重露出撮影により制作された一群の写真作品は、紙という日常的で可変的でありながら形や状態を保つのに一時的である特性を用い彫刻を成り立たせるプロセスを多重露出で撮影することで明示します。
形態と時間を記録することで写真という二次元的な平面のなかに紙の彫刻ともいえる三次元の作品を現しているとも言えます。写真の作品のプロセスの延長戦上にある、鉄や合成樹脂でつくられた立体作品はカメラの技術を使うことで生まれた彫刻をみるという視座をダイレクトに表現した作品とも言えるかもしれません。