2016年7月27日水曜日

第160回 音を楽しむ会

 今月の音を楽しむ会は、ほぼ毎年出演してくださっているヴァイオリンの青木高志さんでした。共演は、こちらも何回もご夫婦で出演していただいているチェロの黒川正三さん、ピアノの黒川文子さんです。


 青木さんと黒川さんは東京フィルハーモニー交響楽団で活躍され、退団した現在はそれぞれ自由に活動の幅を広げています。


 青木さんのヴァイオリンは今年から違うものに変えたそうです。なんと1719年製のもので、しばらく使われていなかったこともあり 自分のものにするにはまだまだ…とおっしゃっていました。古いものに命が宿り、これから青木さんと一緒に歩んでいくのですね。

  
 チェロとピアノの豊かな響きも素敵です。3人のアンサンブルは最高潮に盛り上がりました。  





次回の音を楽しむ会は8月26日(金)、鼓の藤舎呂英さんです。
お楽しみに!

2016年7月19日火曜日

安齊賢太 アートを語る会

 現在サロンにて展示中の安齊賢太さんによるアートを語る会が行われました。



 大学卒業後にメーカーに勤務していましたが、ものづくりをしてみたいという思いから、京都で2年間陶芸を学びました。そして更に視野を広げイギリスへ留学、その後伊豆で陶芸家の黒田泰蔵氏のもとで白磁を学び、現在は故郷である福島県郡山市で独立し製作しています。


 安齊さんは「圧力」を持ったものを作りたいと常に考えているそうです。たまたま行ったルオー展で絵を見たときに、実際のものから発せられる「圧力」を感じたといいます。枠に抑制された中でも出てくる個性があり、それを基に作られたものの存在は強力な武器になります。


 作りたいものを構想したときには実体がありませんが、頭の中で出来上がったものは100%です。この「無」の状態から作らないに越したことはありません。手を通し物体にすることで劣化していきます。
 しかし実際に生きていく上ではものとして存在させる必要があります。自分と他の人を繋ぐため「有」の状態にする、生きること「生」への執着でもあるといいます。



安齊賢太さんの展示は7月30日までです。
是非お運び下さいませ。

2016年7月1日金曜日

7月 安齊賢太展

本日より安齊賢太展が大黒屋サロンにて始まりました。



安齊賢太さんは福島県郡山市で作陶しながら全国のギャラリーで
個展を開催するなどいま注目される若手陶芸家の1 人です。大黒屋では2015年
12月の酒器展にて、お客様の注目を集めており、待望の初個展となりました。


「黑」と呼ばれる陶器に黒い土と漆を混ぜたものを塗り磨いた作品と、
「白」と呼ばれる磁器に白い土を重ねて磨いた作品がコントラストも鮮やかです。


黒い器でありつつ光を吸うような湿り気を帯びた手触りは、1ヶ月かけて磨き上げた
時間と手の技を感じさせます。言葉による説明を介さずとも、「もの」そのものの
「圧力」によって伝わる作品を目指して制作されているとのこと。


独特の丸みを帯びた形もまた、教育や文化に左右されない「人」の中に
共通する形に作られるとのこと。継ぎ目のないろくろ挽きの器、花器は芯の通った
美しさがあります。




展示は7月30日まで開催されます。ぜひ手に取り、手触りを味わってください。
ご宿泊でない方でもご覧いただけますのでお気軽にご来場くださいませ。
公式Facebookにてより多くの写真を掲載しております。
https://www.facebook.com/itamuro.onsen.daikokuya?ref=hl

18日(月・祝)20:00〜「アートを語る会」が行われます。
安齊さんの制作や生き様について直接お聞きすることのできる貴重な機会、
ぜひお運びください。