本日より大黒屋サロンにて益子の陶芸家宮澤章さんによる展示が始まりました。
宮澤さんの大黒屋での展示は今回で6回目。宮澤さんの器は夕食のお膳の上でも
みなさまに多く手にしていただいていますが、今回は宮澤さん独自の技法である
「積化象嵌」(せっかぞうがん)の技法によるオブジェの作品を主にした展示です。
ろくろを使わず、粘土を紐状に伸ばして時間をかけて積み上げていく「手びねり」の
手法を用い、流体である粘土の塊を時間をかけながら徐々に「積」む。積み上がった形を
凹凸をなくすように足し、削りながら窪みのない形に「化」けさせる。
さらに表面を削り、削った傷に土を埋め込む「象嵌」を行うことで滑らかな
肌合いながら長い時間を経てきたような独特の肌合いを感じさせる焼き物に
仕上がります。その独自の過程を「積化象嵌」と表現しています。
今回のオブジェは単純な筒の構造ではなく、空いている穴の中にも焼き物の
肌が続いていく二重の構造になっている点で、見た目よりも軽く複雑な構造を
持っています。その制作過程はSFの構造物を作っているようだとも言います。
生活の器よりもより自由に楽しみながら制作することができるというオブジェ作品の数々。その肌合いや目の前にした時の構造の不思議さも合わせてぜひご覧ください。
アーティストトークは18日(日)20:00〜を予定しております。
ぜひお運びください。