竹工芸を八木澤正さんの教室で学び始めた磯飛さん「最初は趣味で楽しく作っていました。」
初期の頃、先生の教えで茶や黄など自然色の作品が多数でしたが、徐々に鮮やかな赤を使うようになりました。竹の色彩は化学染料を使用しており、漆による仕上げが施されています。「年月が経つほどに上品な透け感が生まれていきます。」
「竹工芸は見て楽しむことを念頭に作っています。作品において全てオリジナルのものはなく、古いものから学んで新しいものを生み出しています。伝統とは変化していくもの、新しくしていくことだと思っています。」
「作りたいものを作る」をモットーにしている磯飛さんにとって、伝統工芸展に出品して評価されることは自分が気づかなかったことに気づく良い機会だといいます。
「用の美とは器の形を借りて表現するもの、用途に耐えられるもの。バランスやアール、細さなど細部にも竹の軽やかさを出すようにいつも心がけています。」
「今の仕事が好きです。好きなことを職業にして楽しく作ることが幸せ。自分のできる力で時間をかけたもの、細かい部分に気をつかったものをこれからも作っていきたいです。」と今後の抱負を話し、最後に○△□に言葉を入れて今の磯飛さんを表現していただきました。
△美 ○目 □技
【自然や建築物、芸術作品など良いものを自分の目で見て、竹工芸の技術を磨きながら、しなやかで美しい作品を制作していく。】
磯飛節子さんの展示は6月29日(金)まで行われます。どうぞお運びくださいませ。