バルトーク:ルーマニア民族舞曲。木々の枯葉のような隙間を感じる寂しげな音色、港に映る青々とした水面の漣、異国情緒溢れる街並の風景、ヴァイオリンとピアノの華麗な曲展開によって頭の中の景色が次々と塗り替えられていく感覚を味わうことができ、とても新鮮な気分になれました。
ショーソン:「詩曲」作品25。愛の勝利の歌ともいわれているこの楽曲は、画家と音楽家と女性の三角関係の物語を綴ったものだそうです。儚さと哀愁と愛執感じる静かなヴァイオリンとピアノの掛け合いによって物語が紡がれ、クライマックスでは登場人物の強い思いが雷鳴となって甲高く轟き鳴り響いていく、音楽による迫真の表現を感じることができました。
ブラームス:ヴァイオリンソナタ第1番作品78。まどろむ、たゆたう、とろける、無重力の宇宙空間を浮泳しているような感覚、意識と無意識の狭間の夢にいるような感覚、幻想的なメロディーは最終盤で調和を生み出し一つの音楽世界を表現していたように感じました、音楽でしか表現できないものが確かにあるのだなと思い涙が出て感動しました。
次回の音を楽しむ会は4月26日(金)、テノールの上原正敏さんです。
どうぞお楽しみに!