2019年4月27日土曜日

第193回 音を楽しむ会

新緑が映え始めてきた板室にて、4月の音を楽しむ会はテノール上原正敏さんとピアノ出田晶子さんによる演奏会が行われました。これまで大黒屋で様々なジャンルの楽曲を歌ってきた上原さん、今回のテーマは「初心」ということでクラシックの楽曲を真摯に歌いたいという思いが込められているそうです。


朗らかで陽気な雰囲気の「ラ・セレナータ」、温かみある「美しい人の周りに 美しき君は我が心のすべて」、「オンブラ・マイ・フ」は静寂な海のように。曲間の上原さんのユーモア溢れる楽曲説明のお話でお客様も楽しく笑っておられて、会場は温かい空気感に包まれていました。


上原さんが冒頭場面の絵描きの演技をされて歌い始めた「妙なる調和」、出田さんの音色が雨音のように心に染み入る前奏から始まるオペレッタ「微笑みの国」、お二人の演奏によって生み出された優しい音楽の世界観がとても印象的でした。



海外へ旅立った時に感じた少し怖い感じとワクワク感を込めて歌う「ウィーン、わが夢の街」、子育てを終えた親がこれまでを振り返るようにして歌う「揺籠のうた」、上原さん独自の経験と解釈から表現される楽曲は聴いていて心地よいものでした。


平成最後の音を楽しむ会に平成ヒット曲を、ということで歌っていただいた「千の風になって」は静かな音色と歌声で始まり中盤から終盤にかけて大きな風の流れを感じさせる壮大な展開になっており心を強く打たれました。
アンコールの「忘れな草」は演奏会の余韻を感じながら気持ちよく聴くことができて心が穏やかに落ち着きました、お二人の優しい人柄を感じた温かく心地よい演奏会でした。



次回の音を楽しむ会は5月26日(日)、ピアノ北村晶子さんとソプラノ松原有奈さんです。
どうぞお楽しみに!