2023年9月1日金曜日

2023年9月 光藤 佐展

 板室温泉大黒屋では9月1日より大黒屋サロンにて「光藤 佐 展」を開催しております。


 光藤さんは、1962年兵庫県生まれ。京都府立陶工職業訓練校専攻科卒業、十代の頃から職人として窯業に携わった後、京都精華大学美術学部にて西洋における素描技法を中心に学びました。卒業後語学留学も含めヨーロッパを旅して帰国後、京都の料亭の専用窯場で職人として働きます。その後独立し陶芸家として活動を始め、2004年に現在の拠点となる兵庫県朝来市に工房と穴窯を築き、粉引、刷毛目、白磁、絵唐津、赤絵、黒釉、三島手、安南手、瑠璃釉、イッチン等、様々な手法で多様な器を制作されています。



 懐石料理屋さんで働いた経験から、使いやすく盛り付けたときに美しい、食器 つくりを主に、花器、酒器、茶器、そして陶芸家として独立後から長年続けている書と短歌を嗜み古今東西の器への好奇心から、その創作は多彩な広がりを続けています。



 大黒屋では初めての個展となる本展では、お皿、鉢、飯碗、湯呑み、蕎麦猪口、汲み出し、片口、酒器など大小さまざまな日常のうつわと花器、茶碗などを展示いたしました。一部の作品を除いては、昔ながらの穴窯で制作されており1点1点違う表情のうつわが魅力です。

 また、書と短歌を嗜む光藤さんならではの墨彩画の作品も8点展示いたします。この機会にご高覧いただけたら幸いです。 


会期 : 2023 年 9 月 1 日 (金) - 9月 26 日 (火) 9:00 - 17:00
※展示は宿泊以外の方もご覧いただけます。

2023年8月26日土曜日

第234回 音を楽しむ会

8月の音を楽しむ会はフルート 森川道代さん、チェロ 増本麻理さん、ピアノ 安宅薫さんによる演奏会が行われました。





今回の演目は...

              ○ フォーレ : シチリアーノ

              ○ ショッカー : My Summer Vacation より
             ・First  Morning 
             ・Happy  Hikers
             ・No  Humidity  
             ・Packaging  Up ( I  Got  Plenty  o’Sunburn)
             ・Joyous  Home !

              ○ ピアソラ : リベルタンゴ

              ○ ラヴェル : マ・メール・ロワ
             ・眠れる森の美女のパヴァーヌ
             ・おやゆび小僧
             ・パゴダの女王 レドロネット
             ・美女と野獣の対話
             ・妖精の園

             アンコール:ホフマンの舟歌、美女と野獣






フルートの流麗な音色が魅力的なフォーレ作曲「シチリアーノ」で幕を開けました。


8月の音を楽しむ会にぴったりなショッカー作曲「My Summer Vacation」も演奏。期待や不安など様々な感情が生まれる夏休みの一日をフルート、チェロ、ピアノの繊細かつ丁寧な演奏で想像させてくれます。


中盤には曲調の早いピアソラ作曲「リベルタンゴ」も演奏。チェロの重厚感がありながら躍動感もある演奏に魅了されました。


ラヴェル作曲「マ・メール・ロワ」の中から5曲を披露。森川さんの朗読もあり、3人の世界観に一気に引き込まれます。魔法が解ける瞬間はピアノならではの美しいグリッサンドで表現して頂きました。


アンコールで演奏して頂いたポッド夫人が歌う「美女と野獣」は、聞き馴染みがある曲だけに、生音の魅力を体感した一曲となりました。


フルート、チェロ、ピアノがそれぞれもっている特性と3人の温かい人柄が合わさり、外の激しい雨音も気にならない程、聞き入った音を楽しむ会となりました。






次回の音を楽しむ会は9月26日(火)、アコーディオン 伊藤浩子さんです。
どうぞお楽しみに!

2023年8月3日木曜日

2023年8月 加藤委 展

  板室温泉大黒屋では8月3日より大黒屋サロンにて「加藤委 展」を開催しております。


 加藤さんは、岐阜県多治見市生まれ。多治見市陶磁器意匠研究所を終了し、小田井窯絵付師として勤務後に独立しその後、美術館、ギャラリーなど数多くの展覧会を開催しています。



 鋭利で豪放な勢いをもちナイフで削り出したかのようなエッジの利いた造形に、透き通るような美しい釉薬が特徴的。加藤さんは磁土をちぎる、削る、切る等の即興的アプローチによる青白磁のダイナミックな作品で国内外の注目を集め、むき出しの磁土を焼成することで現れた荒々しい表情と、部分的に施された青白磁釉が独自のコントラストを作り出しています。



 2016年以来、7年ぶり2回目となる大黒屋での個展。日常使いのうつわを中心に酒器、花器、オブジェとおよそ100点の作品を展示いたします。また、第7回円空大賞受賞きっかけにもなった大型のオブジェ作品「サンカクノココロ」シリーズも2点展示いたします。この機会にぜひご高覧いただけましたら幸いです。 



会期 : 2023 年 8 月 3 日 (木) - 8月 28 日 (月) 9:00 - 17:00
※展示は宿泊以外の方もご覧いただけます。




2023年6月30日金曜日

2023年7月 竹籠展

 6月30日より大黒屋サロンにて竹籠展を開催いたします。


 本展は竹工芸収集の第一人者であり研究者の斎藤正光氏監修による2年ぶり2回目の展覧会になります。氏は国内外の美術館での展覧会の監修・プロモーションなど手掛けています。
 「飯塚琅玕斎展」(栃木県立美術館)、「竹の造形ロイド・コッツェン・コレクション展」(日本橋三越、大分市美術館など国内6箇所で開催)New Bamboo: Contemporary Japanese Masters」展(ジャパンソサエティー、ニューヨーク)、「 線の造形線の空間 飯塚琅玕齋と田辺竹雲斎でめぐる竹工芸」(菊池寛実記念智美術館、東京)などに協力したほか、NHK「美の壺」の「竹籠」編や多数の出版物の企画にも携わっており、内外の美術館やコレクターに日本の優れた竹工芸を紹介するなど、竹文化の普及に尽力しています。


 斎藤さんの審美眼で厳選された全国の無銘の竹籠や民具、江戸から昭和に活躍した名工達の竹籠、掛花、茶籠、花籃、盛籃、盆、火鉢、バック、など様々な竹工作品およそ100点展示致します。 この機会にぜひご高覧いただけましたら幸いです。



また、会期中のイベントとして、会期の最後の週末7/29(土)30(日)には本展覧会にあわせて、花道家の上野雄次さんによる花いけ、会期終了翌日の7/31(月)には作家の磯飛節子さんによる竹かご制作ワークショップを開催いたします。


【盛籠・花籠 制作体験3時間コース】 *要予約
講習代:8,000円 (材料代込み)
日時 :7月31日(月)12:30 – 15:30 (*参加人数により前後する可能性あり)
会場 :板室温泉大黒屋サロン


お申し込みはお電話、メール、SNSからも承ります。

ぜひご都合をつけてご来館ください。



会期 : 2023 年 6 月 30 日 (金) - 7月 30日 (日) 9:00 - 17:00               
※展示は宿泊以外の方もご覧いただけます。





2023年6月26日月曜日

第233回 音を楽しむ会

6月の音を楽しむ会は謡・舞 川口晃平さん、笛 熊本俊太郎さん、太鼓 姥浦理紗さんによる「能の五番立」を行いました。


〜能の五番立〜

神「高砂」

男「敦盛」(長良川薪能版)

女「羽衣」

狂「天鼓」

鬼「葵上」より祈リ


神「高砂」の早い調べと神々しい舞により、一気に能の世界へと引き込まれます。

演目の途中には、音に追われているかのように鬼気迫る演奏が特徴的な「早笛」も演奏していただきました。

「能は想像力でみるもの」と仰った川口さん。鬼「葵上」より祈リ では愛を失い、怒り、悲しむ六条御息所を、指先にまで気持ちが込められた優美な舞と目では想像しきれない空気感を笛と太鼓で表現して頂きました。

目や耳で見聞きするだけではなく、そこから頭の中で想像し、より一層面白さを深めていく、能の楽しみ方を知った音を楽しむ会となりました。





次回の音を楽しむ会は8月26日(土)、フルート 森川道代さんです。

どうぞお楽しみ!

※ 7月の音を楽しむ会は「休演」です。