2018年9月28日金曜日

第186回 音を楽しむ会


9月の音を楽しむ会はソプラノ森田克子さんとピアノ沢里尊子さんによる演奏会が行われました。今回で16回目の出演となる森田さんは「初々しく慣れっこにならないように、当たり前にならないように演奏したいです。活き活きとした曲目としみじみとした曲目を準備してきたのでお客様に楽しんでいただきたいです。」と話していただきました。


1曲目「ちいさな空」は優しいメロディーで静かに奏でられました。
2,3曲目「花と若者」「落葉松」と秋の曲を続けて演奏。大黒屋の庭に咲いている秋桜の風景と曲の音色がリンクして叙情的な心象風景が広がってきました。



サプライズで呼びこまれた社長が「赤とんぼ」を披露。森田さんの歌のレッスンを受けて磨かれた歌声で秋の風情を歌いあげました。


4曲目「空を見上げて」は会場のお客様と一緒に明るく歌いました。お客様も元気よく歌って会場が活気づいていく様子を肌で感じ取ることができました。会場の熱が徐々に上がっていきました。


沢里さんがオカリナで「旅愁」を披露。澄み渡った音色が癒しの空間を作り出していました。

5曲目、朗読ミュージカル(O.ヘンリー作「赤い酋長の身代金」より、作・演出:山崎陽子/作曲:小川寛興)「きっと明日は」
詐欺コンビのハンサムな男サムと肥満体のビルは何とかうまい金儲けができないかと知恵を絞り、大金持ちで嫌われ者の顔役ドーセットの息子に目をつけたのだが、、、愉快で気の毒で心温まる男たちの物語を披露しました。


大黒屋で披露する演目で登場人物は過去最多だそうです。コミカルにキャラクターが描かれテンポの良い物語が繰り広げられ、会場から歓声が沸く場面が数多くありました。森田さんの明るく陽気な語り口を聴いていると心も軽やかになり、朗読ミュージカルの楽しい世界の中に入っていくようでした。


会場のお客様と一緒に作り上げた演奏会、森田さんの「皆で楽しい場を共有したい」という熱い思いが強く伝わってきました。見て聴いて幸せな気分になった演奏会でした。



次回の音を楽しむ会は10月26日(金)、数学の森田真生さんです。
どうぞお楽しみに!

2018年9月1日土曜日

9月 山口真人展

本日から大黒屋サロンにて陶芸家山口真人さんの展示が始まりました。



山口さんは桃山時代から歴史的に有名な焼き物の産地として知られる愛知県瀬戸の窯元西山窯の六代目当主として、9つの窯をもつ大きな工房で作陶を行っています。



織部、黄瀬戸、志野、鼠志野、黒織部(瀬戸黒)など瀬戸伝統の技を用いた作品や、灰釉、粉引まで多様な技術を駆使して多くの作品を制作しています。本展でも皿や酒器、マグカップなど日常の器から酒器、茶碗など芸道の作品まで幅広く展示しています。



特にオリーブグリーンの釉薬を用いる織部は山口さんの代名詞ともいえる技法です。楽茶碗に代表される千利休の寂の美学から、歪みや多彩な絵付けへと美意識の革命を起こした織部焼の発祥に想を得、他の焼き物は伝統の枠を守りつつ織部には自身の独自性を投影しているといいます。



大胆な歪みや削り、「琳派織部」と言われる日本の伝統文様を細密に描いた作品などが目を引きます。



旅行が好きだという山口さんの作品には、バリ島で見た葉っぱの形の器をモチーフにしたものやジャマイカ出身の歌手の歌詞を型で押した作品など、海外で見聞きした経験が反映されているものもあます。伝統の中だけでなく、現代の作家ならではの斬新な感性に驚かされます。



国内各地で展示を行ってきた山口さんですが、栃木県内では初の個展となります。200点弱の作品をご覧になれる機会に是非お運びください。
公式Facebookにてより多くの写真を公開しております。
是非ご覧ください。
大黒屋公式Facebook