2016年8月20日土曜日

磯谷博史 アートを語る会

8月18日、サロンにて磯谷博史さんによる「アートを語る会」が行われました。
様々な角度で作品を作る磯谷さんですが、初めての大黒屋での個展では新作4点を含む全16点の写真作品によって構成されています。

建築を学んでいたことや、ご自身の制作と建築的考え方のつながり。制作の技法などについて、また大学でのことや、ロンドンで学んだことなどについて等たくさん語ってくださいました。



磯谷さんの作品は、ものとものとが作用していたり、力学的な関係でできた事柄の発見であったり、作者自らの実験的な行為が含まれています。


これらの作品は、まず撮影したカラー写真をコンピュータの操作で色をなくし、セピア調の写真にします。そして、カラー写真のときに元々あった特徴的な色をフレームの一辺に置くことによって、この写真と額の関係を使って思考のパズルのような作品ができていきます。


作品をじっくり見ていると、なぞなぞのように一体これは何なのかと考えさせられます。写真の中の形を残し、色をなくすことで作品にすきまが作られています。


写真とは現在を撮ることはできず、過去のものであるという性質があります。そこに彫刻的な物質としてフレームを一体化させることにより、オブジェクトとして現在にある存在となります。






磯谷博史さんの展示「すきまを育てる」は8月30日までです。
す・き・ま だらけのパズルのおもしろさを、是非ご覧ください。