2018年11月26日月曜日

第188回 音を楽しむ会

11月の音を楽しむ会はソプラノの西田真以さんとバスのパオロアンドレア・ディピエトロさん、ピアノの中ノ森めぐみさんによる演奏会が開かれました。西田さんは昨年11月にも出演され今年はご主人のパオロさんが初出演です。今回はオペラとカンツォーネを披露していただきました。


1曲目カタラーニ作曲「ワリー」より”さようなら、ふるさとの家よ”。西田さんの美しい歌声が会場に響き渡り開幕から一気にお客様をオペラの世界へ誘うような演奏でした。

2曲目モーツァルト作曲「フィガロの結婚」より”もう飛ぶまいぞ、この蝶々”。フィガロの独唱をパオロさんが熱唱し、リズミカルな低音と軽やかな表情が特徴的でした。


3曲目ヴェルディ作曲「運命の力」より”神よ、平和を与えたまえ”。序盤の清らかなメロディーは静謐を讃えるようで、中盤からはピアノとの協奏で鮮烈な展開が繰り広げられました。

4曲目モーツァルト作曲「ドン・ジョヴァンニ」より”手を取り合って”。西田さんとパオロさんの掛け合いが晴れやかで心温まる印象でした。


5曲目小林秀雄作曲「落葉松」。パオロさんの力強さと優しさのある声で歌い上げられた落葉松は今まで聴いたことのないような新感覚の秋を表現したように感じました。

6曲目マスカーニ作曲「アヴェ・マリア」は西田さんが祈りを込めるように歌い上げ、7曲目ロータ作曲「もっと静かに囁いて」は中ノ森さんの哀愁ある旋律と共にパオロさんの歌声が響き渡りました。


8曲目ララ作曲「グラナダ」は音で壮大な世界を表現した1曲だと感じました。華やかなメロディーが足取り軽くステップを踏むように会場を盛り上げていきました。

9曲目モドゥーニョ作曲「ヴォラーレ」はイタリアの美しい”青い空”を表現した聴きなじみのある有名な1曲。パオロさんの歌声がゆっくりと会場に広がり、揺り籠で揺れるような安らぎを感じました。お客様もリズムをとって横に揺れながら聴き入っていました。


10曲目ディ・カプア作曲「オー・ソレ・ミオ」は西田さんの高く鮮やかな歌声とパオロさんの低く艶のある歌声が融合した素晴らしい1曲でした。ゆっくりと歩幅を合わせて進んでいくように演奏する3人の絆を強く感じ、演奏後は会場から「BRAVO!」と歓声が上がりました。


アンコールはレハール作曲オペレッタ「メリーウィドウ」より”唇は黙して”。西田さんとパオロさんがダンスをして朗らかな雰囲気で歌い上げました。
3人の個性が表現された迫真のステージを披露していただきました。晴れやかな曲目が印象的で心温まる素晴らしい音を楽しむ会となりました。



次回の音を楽しむ会は12月26日(水)、中橋健太郎左衛門さんによるオペラです。
どうぞお楽しみに!