今回の演目は...
Moj
グレゴリオ聖歌
戦場のメリークリスマス
silk road
会場の明かりは蝋燭のみ。空調や電子機器のノイズは全て消し、できるだけ「音」に集中できる環境を整え、静かに幕を開けました。
人の声よりも小さく、非常にデリケートな音量を持つクラヴィコード。その響きを「自ら聴きにいこう」と身を構えてしまうと、どうしても思考が働き、受け取るまでにタイムラグが生じてしまいます。
むしろ、音が訪れるのを静かに待つ。そうして自然と耳に入ってきた音からは、「嫋やかさ、荒々しさ、朗らかさ」といった、曖昧でありながらも豊かな色彩を持つ感情を、ありのままに受け取ることができるのです。
ペルシア語で「波」を意味する「Moj」。波の満ち引きのように穏やかで静かな、心地よい音色が会場に流れていました。そのゆったりとした余韻のなかで、続いて響いたのが西洋音楽の原点とも言える「グレゴリオ聖歌」。ローマ・カトリック教会の宗教音楽で雑味のない純美な音色を心ゆくまで堪能することができました。
ピアノ演奏でお馴染みの坂本龍一さん作曲「戦場のメリークリスマス」。同じ鍵盤楽器でありながら、クラヴィコード特有の奥深い音色によって、哀愁を帯びた旋律がほんのりと温かく、包容力さえも感じさせる響きへと変わっていました。
最後に演奏された「silk road」は、西洋の楽器が清水寺の古材で創られているからこそ、より一層感慨深いものがありました。場所や時代を超えて紡がれる美しさを、五感で体感する特別なひとときとなりました。
次回は10月26日(月)パーカッション 角銅真実さんによる演奏会です。
どうぞお楽しみに!
