2020年12月1日火曜日

2020年12月 青木悠太朗展 「Quien sabe」

 12月1日より大黒屋サロンにて、美術家 青木悠太朗さんによる 個展「Quien sabe」を開催しております。

 青木さんは静岡県出身。東海大学大学院芸術学研究科造型芸術専攻修了後、初応募した大黒屋第10回現代アート公募展にて大賞を受賞しました。国内の個展、グループ展などに参加し2018 年にメキシコを拠点に活動、現在は東京にもどり制作を続けています。

作品としては伝統的な木を使った ʻ彫刻ʼ ですが、その造形には木の塊の量感を取り除くことで「空間」が解放され、ミニマルで幾何学的にそぎ落とされた形が周辺と関係しあうことで、有と無を同時に感じさせます。

メキシコでの生活、日本との風土の違い、旅の記憶、だれも知らない個人的な体験から作品の造形のきっかけやタイトルがつけられていることなど、本展覧会ではメキシコでの経験が色濃く感じられます。本展覧会は昨年末の帰国後、日本で制作した新作16点を展示致します。ぜひご高覧いただけたら幸いです。

会期:2020 年 12 月 1 日(火)- 12 月 29 日(火) 9:00 - 17:00
作家在廊予定日 : 12 月 5,6 19,20 日
会期中の休館日 : 12月7 - 17日


2020年11月26日木曜日

第209回 音を楽しむ会

 11月の音を楽しむ会は、ピアノ 中橋健太郎左衛門さん、テノール 佐々木洋平さん、ソプラノ 田崎尚美さんによる大黒屋オペラ特別公演「ドイツオペラ ガラコンサート」を行ないました。ガラコンサートの「ガラ」とは祝祭などの意味で、様々な作品から名場面を抜粋して上演する形式のことです。

ウェーバー(1786-1826)作曲 歌劇「魔弾の射手」より マックスのアリア 「嫌だ!この苦しみは希望を奪い〜我は楽しくさすらった」イタリア歌劇で支配されていた時代のドイツに、自国語(ドイツ語)オペラ作品を確立した記念碑的作品の本作。主役のテノール、マックスによって第1幕に歌われる、絶望に満ちた語り部分と恋人との思い出を歌う旋律、劇的な管弦楽で表現されるスケールの大きなアリアを佐々木さんが披露。

ワーグナー(1813-1883)作曲 歌劇「さまよえるオランダ人」より 「ゼンタのバラード」7年に一度しか上陸を許されない呪いをかけられ大海をさまようオランダ人。絶望を救えるのは、乙女の献身的な愛だけである。未だ見ぬ運命の人であるオランダ人を想って歌う、劇的なアリアを田崎さんが披露。

リヒャルト シュトラウス(1864-1949)作曲 歌劇「ばらの騎士」より「イタリア人歌手のセレナーデ」貴族のお屋敷に楽しませにやって来る一団、その中の一人のイタリア人歌手によって歌われるアリア。ドイツ語作品ながら、イタリア人という設定なので、ここだけイタリア語で歌われる。

ヨハン シュトラウス(1825-1899)作曲オペレッタ「こうもり」より ロザリンデのチャルダッシュオペレッタとは、音楽に加えて、台詞(芝居)や踊りも加わったより娯楽性の強いもので、その子孫がミュージカルである。宴の中で、ハンガリー人に扮したロザリンデが歌うハンガリー風の楽しいアリアである。

ワーグナー(1813-1883) 楽劇「トリスタンとイゾルデ」より第2幕愛の二重唱 〜 全幕幕切れのイゾルデ「愛の死」ヨーロッパ伝統のいわゆるクラシック音楽に、一大革命を起こした画期的作品。媚薬とすれ違いによって愛し合うようになった騎士トリスタンとイゾルデ姫による、陶酔に溢れた二重唱から、全幕幕切れにイゾルデによって演じられる「愛の死」を続けて披露。

佐々木さんと田崎さんのしなやかで美しい歌声と中橋さんの流麗な旋律が織り成す迫真のガラコンサートを堪能できた音を楽しむ会となりました。                  ご来場いただいた皆様ありがとうございました。


次回の音を楽しむ会は12月26日(土)、ソプラノ 西田真以さんです。           どうぞお楽しみに!

2020年11月1日日曜日

2020年11月 瀬沼健太郎展

 11月1日より大黒屋サロンにて、ガラス作家 「瀬沼健太郎展」を開催しております。

瀬沼さんは、東京都生まれ多摩美術大学デザイン科を卒業後、ガラス工房での勤務や大学での非常勤講師を経て2010年に東京で独立、現在は秋田公立美術大学准教授として後進の指導にあたりながら、展覧会を定期的に開催し精力的に活動されています。

瀬沼さんの作品の多くは古陶磁の形の普遍的な要素をガラス器に写した作品が特徴的であると同時に、制作の基本に水を大きなテーマとして捉えています。ガラスの瑞々しさを引き出し、水を見せるにはどのようにしたらよいかを常々考えて制作しており、また自身で花を生けることでも知られ、器をつくること、花を生けることどちらの行為もとても大事にされています。瀬沼さんは季節によって変化する植物など日常のちょっとした‘美’に気づけることを自身の作品を通して手助けができたら嬉しいと言います。

2018年の夏以来、2回目となる本展示では、板室の秋に合わせ花器を中心に酒器やグラスなどを展示いたします。ぜひご高覧いただけたら幸いです。

会期:2020年11月1日(日) − 11月29日(日) 9:00 - 17:00
作家在廊予定日: 11月1日
※展示は宿泊以外の方もご覧いただけます。


2020年10月26日月曜日

第208回 音を楽しむ会

 10月の音を楽しむ会は声楽家 森田克子さんとピアノ 沢里尊子さんによる演奏会を行ないました。

まずは朗読ミュージカル(ピアノ一台だけの舞台でたった一人で本を手に朗読し、何人もの人を演じ分け、そこに歌が入って聴いてくださる方を物語の世界へ誘うというもの)、宮部みゆき原作 山崎陽子脚色 小川寛興作曲「器量のぞみ」を披露していただきました。

ヒロインお信は大女で醜女(しこめ)、おまけに幽霊まで登場する世にも不思議な物語。人として真に大切なものとは・・・という内容で、森田さん演じるチャーミングなキャラクター達が織り成す展開に沢里さんの演奏がドラマティックに物語を彩っていました。

秋の歌として、横井弘作詞 小川寛興作曲「花と若者」、斎藤信夫作詞 海沼実作曲「里の秋」を披露。秋の陽光の温かさ、これから冬がくるという刹那の緊張感が心地よく音楽から感じられました。

また沢里さんがオカリナで「もみじ」を演奏、お客様から優しいハミングが聴こえたりと会場が穏やかな雰囲気に包まれました。

最後にMiyabi作詞 松村宗継作曲「いのちの歌」を披露、森田さんが溢れ出る思いを歌にのせて、沢里さんが思いに寄り添うように音を奏でていた姿がとても印象的でした。

森田さんと沢里さんの人間味溢れる温かい音楽世界を堪能できた音を楽しむ会となりました。ご来場いただいた皆様ありがとうございました。


次回の音を楽しむ会は11月26日(木)、中橋健太郎左衛門さん率いる大黒屋オペラ です。  どうぞお楽しみに!



2020年10月1日木曜日

2020年10月 上野友幸展 「花蝶風月」

10月1日より大黒屋サロンにて、美術家 上野友幸さんによる個展「花蝶風月」が開催されております。

上野さんは、東京芸術大学大学院先端芸術表 現修士課程修了後に渡独。ベルリン芸術大学にてマイスター課程を修了。現在もドイツ・ベルリンを拠点に活動しています。日常的に存在するものの形態やイメージと歴史的な彫刻的構造や 絵画的イメージを対峙又はミックスさせることで、イメージや彫刻が認識に与える原理、特性について探求しています。 


上野さんは、自身の作品制作について以下のように述べています。

「私たちの日常に存在する「形態」と、歴史的な「彫刻の構造」を重ねることで、芸術にリアリティーを与え、同時に日常の眼差し(認識の枠組み)を変えたいということが、私の作品制作における動機である。通常、我々は世界を認識するときに自分と世界、自分と他者のように二元論で考えているのではないだろうか。それに対して、禅の教えでは自分も世界も他者も全てが一つであると捉えると言われている。それは食を通して無数の命を自身に取り込むように、生と死が繁殖とともに繰り返されるように、人も空気も宇宙の全てが分子で構成され、その分子が入れ替わっているように、世界が一つだと捉えることは理にかなっている。しかし、我々の知識は物事を分けて、そして対立させることで成り立っている。」

大黒屋では初めての個展となる本展では、近年手掛けている大理石プレートとアクリルマウントの写真を組み合わせたシリーズや、化石の彫刻シリーズなど、新作11点を含む全18点を展示いたします。この機会に、ぜひご高覧いただけたら幸いです。

会期:2020年10月1日(木) − 10月30日(金) 9:00 - 17:00
作家在廊予定日: 1,2日
※展示は宿泊以外の方もご覧いただけます。




2020年9月26日土曜日

第207回 音を楽しむ会

 9月の音を楽しむ会はピアノ 菅野潤さんによる演奏会を行ないました。

今回披露していただいた曲の共通テーマは「旅」、作曲者が旅の中で生み出した音楽の内容が多く含まれています。

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト作曲「ピアノソナタ第8番イ短調 KV310」では 煌びやかな街並みを颯爽と歩くようなメロディーが印象的でした。

フレデリック・ショパン作曲「前奏曲集全24曲 作品28」、この前奏曲には”決して来ることのない本題に対する前触れ”という意味が込められています。廃墟の聖堂に光るガラスの華奢な景色、など24の光景を映し出す音楽世界が鮮明に美しく会場で響いていました。

アンコールはショパン作曲ワルツ第9番変イ長調作品69-1「別れのワルツ」を爽快な旋律で演奏していただきました。

菅野さんが奏でる音楽世界を十二分に堪能できた音を楽しむ会となりました。       ご来場いただいた皆様ありがとうございました!



次回の音を楽しむ会は10月26日(月)、ソプラノ 森田克子さん です。
どうぞお楽しみに!


2020年9月5日土曜日

2020年9月 小森邦衛 展

9月1日より大黒屋サロンにて「小森 邦衛 展」が開催されております。


小森さんは石川県輪島生まれ、2006年に「髹漆」の人間国宝として認定されました。
「髹漆(きゅうしつ)」とは漆を箆や刷毛で素地に塗ることをいい、素地を堅牢なものにするための下地を施した後、様々な上塗り(仕上げ)をします。小森さんは下地から上塗りまですべての工程を行い、漆本来の持つ美しさを長年追求しています。


その技は「籃胎(らんたい)」という細い竹を編みこんだ器に生かされ、表面に凹凸がある為に研ぐことができない網代にも、刷毛目を残さず、なめらかな底艶のある塗りに仕上げています。また自身で真竹を切り出して乾燥させ、細かく削魏、それを花編み、開き編み、閉じ編みなどを駆使し、曲輪で縁を作る工程まで、全て自身の手で行っております。重要無形文化財保持者として技術の高さをみることができます。


大黒屋での本展示では、籃胎、網代、曲輪、重箱、盆、椀、酒器など、貴重な作品およそ80点を展示いたします。脈々と続いてきた日本最高峰の技をぜひご覧ください。また、小森さんが長年続けていらした俳句の作品10点を特別に展示いたします。俳人としての側面もお楽しみいただけるこの機会にご高覧いただけましたら幸いです。


会期:2020年9月1日(火) − 9月29日(火) 9:00 - 17:00
作家在廊予定日: 1,2,3, 19,20日
※展示は宿泊以外の方もご覧いただけます。