7月の音を楽しむ会はピアニスト伊東晶子さんによる演奏会が行われました。フランスでピアノを研鑽された伊東さんは今回で音を楽しむ会出演5回目、ナレーションでの出演は朗読ミュージカルでおなじみの森田克子さんでした。
曲の内容を詩にまとめたナレーションの後、演奏が始まる《ピアノと朗読によるドビュッシーの世界》。伊東さんの原点となるフランス音楽の魅力を凝縮したこの曲群は演奏会の大切な導入部分で、楽しく聴いてもらうことを意識して構成された演目からは伊東さんの温かみある人柄を感じました。
「水の反映」
”めくるめく光の中で音が躍る。水面を舞台に軽やかに、しなやかに、時には弾け、時には眠りを誘いつつ、華麗に舞う音の群れ。その煌めきは水に跳ね返りつつ、やがて静寂の中に溶けてゆく…”
「雨の庭」
”ドビュッシーの時代に活躍した印象派の画家、マネやモネの描いた絵画からは、光や影の揺らぎとともに、音楽が聴こえてくると言う人がいます。ではドビュッシーの音楽からは、どんな風景がみえてくるのでしょう。ピアノ曲集「版画」より「雨の庭」…。子供たちが楽しく遊んでいる庭に、アラ、大変!雨が…!”
「月の光」
”静けさが世界を包む。夜の帳の中で宝石のように煌めくのは、月から降り注ぐ、光の音符! 舞い降りる、光の天使!”
ノスタルジックなメロディーが六花の形を象りながら涼しげに会場に響き渡ったババジャニアン作曲「エレジー ”ハチャトゥリアンの思い出”」。
超絶技巧の速さでリズミカルに奏でられたモンサルバーチェ作曲「イヴェットのためのソナタ 第3楽章」にはきらきら星のテーマが編み込まれており音楽が層を成して心地よく聴き入ることができました。
「いろんな音楽に挑戦したい!」という伊東さんのアグレッシブで新しい一面を感じられたこの2曲は演奏会の中でも特に象徴的でした。
伊東さんが曲の物語を読んでから演奏したショパン「バラード第1番」は一音一音が演奏会に余韻を残していくように広がっていき、アンコールのショパン「ノクターン 遺作」では有名なメロディーを織り交ぜた静謐な音楽が伝わってきました。
伊東さんの想いがぎゅっと込められた演奏会は気づけばあっという間で、まだまだ聴いていたいと思わせる素晴らしい音を楽しむ会となりました。
次回の音を楽しむ会は8月26日(月)、笛 福原寛さんです。
どうぞお楽しみに!
2019年7月28日日曜日
2019年7月18日木曜日
7月 古橋まどか 展 「ナンセンス、無体物、スト的状況」Madoka Furuhashi 「Nonsense, Intagible, Striking situations」
7月1日より大黒屋サロンにて、古橋まどか 展「ナンセンス、無体物、スト的状況」が開催されております。
古橋さんはロンドンのAAスクールオブアーキテクチャー インターメディエートスクール、ロイヤル・カレッジ・オブ・アート美術修士課程を修了後、現在は同大学院芸術学科博士課程に在籍(休学中)、極めて日常に近い物に関するリサーチを基軸としたサイトスペシフィックな制作活動を展開しています。
2015年にイタリア北部、ブレーシャの街外れにある広大な採石場を訪れたことを契機に、原料が製品となる製造の過程とその過程を生み出す労働の力、目に見えないエネルギーに対しての興味、ものが成り立つ過程自体を空間に表出する試みを通して深化させてきました。
大黒屋での初個展となる本展では、イギリスのロンドン、イタリアのブレーシャ、インドネシアのジョグジャカルタ、メキシコのオアハカ、日本の瀬戸など、世界各地で制作された作品を展示しています。
素材に真鍮を用いた労働についての初期作品「Ⅱ quarto stato」は工場から原料でも製品でもないものを取り出すことによって無形のエネルギー(身体存在)を表現、「素材から人を感じられる」ようにと制作されました。
無形のエネルギーの源は身体。石灰を採石場で働く人が実際に着ている作業着に入れて、石膏にして取り出したモノと、岩の一部を組み合わせることで仕事をする人の定義を見出そうとした作品「Raw material, goods and human body」はインドネシアのジョグジャカルタの採石場で岩を採掘する人と石のタイルを製造する人達の仕事を一旦止めてもらった状況下で制作されました。科学的に分析した時、成分に汗が入っていることが必要だと考える古橋さん、「見た目と中身と内容が合うことが大事」と話しておられました。
瀬戸市の鉱山にて、陶土になる前の原土に雑木の灰釉をかけて制作された最新作「陶片」シリーズ。トラックの轍が付いた土をそのまま取り出したものもあり、土の部分によって水分が含まれる量が違っていたりと通常の焼き物より難易度が高いこの作品、リサーチの段階で「これだ」と感じたそうです。
考古学が好きだと語る古橋さん、過去の出来事を分析することが面白いのと同様に、今現在私達が生きている状況が未来の人達から見たらどう理解されるのかが気になるといいます。「モノから自分達がどう理解できるか、どう知識を得られるか、何を捉えるか」モノが示すメッセージを常に考え、達観した視点から現在の世界を見据え、自分と繋がった人達の人生(必ずしも記述されないそれぞれの匿名でパーソナルな歴史)を掘り下げた作品制作を続ける古橋さんの今後の展開がとても楽しみです。
古橋さんはロンドンのAAスクールオブアーキテクチャー インターメディエートスクール、ロイヤル・カレッジ・オブ・アート美術修士課程を修了後、現在は同大学院芸術学科博士課程に在籍(休学中)、極めて日常に近い物に関するリサーチを基軸としたサイトスペシフィックな制作活動を展開しています。
2015年にイタリア北部、ブレーシャの街外れにある広大な採石場を訪れたことを契機に、原料が製品となる製造の過程とその過程を生み出す労働の力、目に見えないエネルギーに対しての興味、ものが成り立つ過程自体を空間に表出する試みを通して深化させてきました。
大黒屋での初個展となる本展では、イギリスのロンドン、イタリアのブレーシャ、インドネシアのジョグジャカルタ、メキシコのオアハカ、日本の瀬戸など、世界各地で制作された作品を展示しています。
素材に真鍮を用いた労働についての初期作品「Ⅱ quarto stato」は工場から原料でも製品でもないものを取り出すことによって無形のエネルギー(身体存在)を表現、「素材から人を感じられる」ようにと制作されました。
無形のエネルギーの源は身体。石灰を採石場で働く人が実際に着ている作業着に入れて、石膏にして取り出したモノと、岩の一部を組み合わせることで仕事をする人の定義を見出そうとした作品「Raw material, goods and human body」はインドネシアのジョグジャカルタの採石場で岩を採掘する人と石のタイルを製造する人達の仕事を一旦止めてもらった状況下で制作されました。科学的に分析した時、成分に汗が入っていることが必要だと考える古橋さん、「見た目と中身と内容が合うことが大事」と話しておられました。
瀬戸市の鉱山にて、陶土になる前の原土に雑木の灰釉をかけて制作された最新作「陶片」シリーズ。トラックの轍が付いた土をそのまま取り出したものもあり、土の部分によって水分が含まれる量が違っていたりと通常の焼き物より難易度が高いこの作品、リサーチの段階で「これだ」と感じたそうです。
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| メキシコの美術館で展示した際のインスタレーション |
今年の4月まで1年間滞在していたメキシコで制作されたインスタレーション作品を舞台にメキシコのパフォーマンスアーティストのMotos Ninjaが行ったパフォーマンスの映像も公開しています。
考古学が好きだと語る古橋さん、過去の出来事を分析することが面白いのと同様に、今現在私達が生きている状況が未来の人達から見たらどう理解されるのかが気になるといいます。「モノから自分達がどう理解できるか、どう知識を得られるか、何を捉えるか」モノが示すメッセージを常に考え、達観した視点から現在の世界を見据え、自分と繋がった人達の人生(必ずしも記述されないそれぞれの匿名でパーソナルな歴史)を掘り下げた作品制作を続ける古橋さんの今後の展開がとても楽しみです。
本展は古橋さんのこれまでの実践をタイムラインにご覧いただける貴重な機会となります。展示は7月30日(火)まで開催、ぜひこの機会にご高覧ください。
2019年6月29日土曜日
第195回 音を楽しむ会
6月の音を楽しむ会はピアノ中橋健太郎左衛門さん、ソプラノ鷲尾麻衣さん(アディーナ役)、テノール宮里直樹さん(ネモリーノ役)、バス三戸大久さん(ドゥルカマーラ役)、バリトン月野進さん(ベルコーレ役)による第11回大黒屋オペラ公演が行われました。曲目は大黒屋のためにアレンジされたドニゼッティ作曲「愛の妙薬」です。
♪続いてアディーナとネモリーノによる二重唱、二人の気持ちは違う方向を向いている。
曲間の演技シーンではセリフに日本語が使われており、物語が分かりやすく楽しく進行していきました。曲は基本的に原語ですが時々日本語が織り交ぜられたユーモア溢れる歌唱にお客様から歓声がドッと湧き上がって会場はとても微笑ましい雰囲気でした。
そこに、インチキ薬売りのドゥルカマーラが賑々しく登場。秘伝の惚れ薬(実はただの酒)をもっともらしく大宣伝。
♪喜劇的バスによる大アリア。素直なネモリーノはすっかり信じ込み大枚叩いて購入、
♪感謝するネモリーノとしてやったりのドゥルカマーラによる二重唱。
惚れ薬を早速飲み干すネモリーノ。ただし効果が現れるのは明日、とクギを刺されている。ネモリーノは普段と違い自信たっぷり。それを訝しがるアディーナ。
♪二人による二重唱に続けて軍曹ベルコーレが登場してアディーナに求婚、ネモリーノに対する当て付けでアディーナは承諾してしまう。結婚式は六日後の予定、しかし軍曹は急遽明日出発に変更となり結婚式は今日行うことになった!明日にならないと惚れ薬の効果は出ないので今日結婚されたら間に合わない、慌てるネモリーノ。今日だけは結婚をやめてくれと懇願するがムダである。
♪三者三様の重唱に続き、華麗なアンサンブルで第1幕フィナーレを飾る。
大黒屋サロンの空間を最大限に活用した歌い手達の演技は鑑賞者を物語の世界にどんどん引き込んでいくようでとても魅力的でした。また登場人物の心情を歌い方にきめ細かく反映されていて、これはすごい!と感激しました。
第2幕、アディーナと軍曹ベルコーレの結婚式。薬売りのドゥルカマーラはインチキくさい歌を披露。
♪即興で参加するアディーナとの二重唱。
今日中の結婚に大弱りのネモリーノはドゥルカマーラに相談するが更に一瓶飲めば効果は明日ではなく今すぐ現れると又もや騙されるが・・・もう金がない。悩んだ末に即金が得られるベルコーレの軍隊に入ることを決意する。
♪ネモリーノとベルコーレの二重唱。
かねてから重い病気だったネモリーノの伯父が死去。莫大な遺産が相続されるウワサが広がり、急にモテるようになる。惚れ薬が効いてきたと喜ぶネモリーノ。
♪イライラするアディーナ、インチキ薬が本当に効果を発揮して驚くドゥルカマーラによる三重唱。
場面はアディーナとドゥルカマーラに入れ替わる。ネモリーノは彼女の心を得る為に軍隊に入る決心をしたと真実を聞かされ感動する。
♪感動するアディーナとドゥルカマーラの二重唱。
ネモリーノただ一人、ひと雫の涙、アディーナを想って切々と歌う。
♪テノール屈指の名アリア。
アディーナ、はネモリーノを愛している本心に従って入隊契約書を取り戻した。喜び合い気持ちを確認する二人。
♪アディーナの本心であるネモリーノへの愛が歌われる名アリア。
終盤のネモリーノとアディーナの思い合う心情を深く表現したアリア、感動しました。序盤に披露したユーモア溢れる歌やセリフがより一層鮮やかに引き立てているようで、全体の構成についてもすごい!と感激しました。
ドゥルカマーラ、幸せな事の顛末は全て自分の薬の効用とまた口八丁手八丁で薬は売れる売れる。
♪大儲けで満足のドゥルカマーラは次の地へと旅立つ。幸せなアディーナとネモリーノ、結婚がウヤムヤになって立腹のベルコーレ、それぞれの思いを歌い全曲の幕となる。
日本語のセリフやアドリブが随所に鏤められたオペラの世界、物語の内容を深く理解できると共に登場人物の心情を感じながらオペラを楽しむことができた音を楽しむ会となりました。中橋さん率いる大黒屋オペラならではの魅力が満載でした!
次回の音を楽しむ会は7月26日(金)、ピアノ 伊東晶子さんです。
どうぞお楽しみに!
第1幕、舞台は18世紀末スペインののどかな村。村の農場管理人にして聡明な美人アディーナは、好青年ネモリーノの求愛を断り続けているが、心の底では惹かれている。そこにカッコいい軍曹ベルコーレが来村、早速アディーナに求愛するがアディーナはこれもあしらう。ライバル登場に焦るネモリーノ。
♪ベルコーレの小アリアに続き3人の賑やかなアンサンブル。♪続いてアディーナとネモリーノによる二重唱、二人の気持ちは違う方向を向いている。
そこに、インチキ薬売りのドゥルカマーラが賑々しく登場。秘伝の惚れ薬(実はただの酒)をもっともらしく大宣伝。
♪喜劇的バスによる大アリア。素直なネモリーノはすっかり信じ込み大枚叩いて購入、
♪感謝するネモリーノとしてやったりのドゥルカマーラによる二重唱。
惚れ薬を早速飲み干すネモリーノ。ただし効果が現れるのは明日、とクギを刺されている。ネモリーノは普段と違い自信たっぷり。それを訝しがるアディーナ。
♪二人による二重唱に続けて軍曹ベルコーレが登場してアディーナに求婚、ネモリーノに対する当て付けでアディーナは承諾してしまう。結婚式は六日後の予定、しかし軍曹は急遽明日出発に変更となり結婚式は今日行うことになった!明日にならないと惚れ薬の効果は出ないので今日結婚されたら間に合わない、慌てるネモリーノ。今日だけは結婚をやめてくれと懇願するがムダである。
♪三者三様の重唱に続き、華麗なアンサンブルで第1幕フィナーレを飾る。
大黒屋サロンの空間を最大限に活用した歌い手達の演技は鑑賞者を物語の世界にどんどん引き込んでいくようでとても魅力的でした。また登場人物の心情を歌い方にきめ細かく反映されていて、これはすごい!と感激しました。
第2幕、アディーナと軍曹ベルコーレの結婚式。薬売りのドゥルカマーラはインチキくさい歌を披露。
♪即興で参加するアディーナとの二重唱。
今日中の結婚に大弱りのネモリーノはドゥルカマーラに相談するが更に一瓶飲めば効果は明日ではなく今すぐ現れると又もや騙されるが・・・もう金がない。悩んだ末に即金が得られるベルコーレの軍隊に入ることを決意する。
♪ネモリーノとベルコーレの二重唱。
かねてから重い病気だったネモリーノの伯父が死去。莫大な遺産が相続されるウワサが広がり、急にモテるようになる。惚れ薬が効いてきたと喜ぶネモリーノ。
♪イライラするアディーナ、インチキ薬が本当に効果を発揮して驚くドゥルカマーラによる三重唱。
場面はアディーナとドゥルカマーラに入れ替わる。ネモリーノは彼女の心を得る為に軍隊に入る決心をしたと真実を聞かされ感動する。
♪感動するアディーナとドゥルカマーラの二重唱。
ネモリーノただ一人、ひと雫の涙、アディーナを想って切々と歌う。
♪テノール屈指の名アリア。
アディーナ、はネモリーノを愛している本心に従って入隊契約書を取り戻した。喜び合い気持ちを確認する二人。
♪アディーナの本心であるネモリーノへの愛が歌われる名アリア。
終盤のネモリーノとアディーナの思い合う心情を深く表現したアリア、感動しました。序盤に披露したユーモア溢れる歌やセリフがより一層鮮やかに引き立てているようで、全体の構成についてもすごい!と感激しました。
ドゥルカマーラ、幸せな事の顛末は全て自分の薬の効用とまた口八丁手八丁で薬は売れる売れる。
♪大儲けで満足のドゥルカマーラは次の地へと旅立つ。幸せなアディーナとネモリーノ、結婚がウヤムヤになって立腹のベルコーレ、それぞれの思いを歌い全曲の幕となる。
日本語のセリフやアドリブが随所に鏤められたオペラの世界、物語の内容を深く理解できると共に登場人物の心情を感じながらオペラを楽しむことができた音を楽しむ会となりました。中橋さん率いる大黒屋オペラならではの魅力が満載でした!
次回の音を楽しむ会は7月26日(金)、ピアノ 伊東晶子さんです。
どうぞお楽しみに!
2019年6月4日火曜日
6月 拝宮和紙 中村功 展
6月1日より大黒屋サロンにて「拝宮和紙 中村功 展」が開催されております。
中村功さんは徳島県那賀町拝宮という標高600m、四国の南東部を流れる那賀川の支流に沿った自然豊かな山間地で拝宮和紙の伝統を守りながら制作を続けておられます。
中村さんは楮の繊維質な表情が出たパリッ、ピリッと破れる「寒(かん)」とした紙質にこだわりを持って制作されており、紙漉きをする時期は冬の間、上質な谷水と、原料は自身で栽培している楮【成長が遅く繊維が短いため紙にした時に密度が高い赤楮(アカソ)】を100%使用しています。拝宮の村の高齢化と過疎化問題、暖冬によって楮の成長が早まり赤楮本来の特徴が出ない、動物による自然被害など様々な障害を乗り越えて制作を続けてきたそうです。
江戸時代末期に最盛を迎え、先祖代々受け継いできた拝宮の紙漉き文化。村の小学校が廃校になると決まり、村の未来に危機感を感じた中村さんは27歳の時に紙漉きを始めました。未来への活路があると信じて村のため今日まで活動を続け、今や全国、海外にまで活動範囲を広げておられます。
自然に出た紙の曲がりや楮の繊維に接着力があるため紙がもつれた表情など「自分が全てに手をかけるのではなく紙から自然を引き出して拝宮和紙をどう表現できるか、ということを常々考えながら制作してきた」風土の変化により昔と同じ作り方はできない中で拝宮和紙の文化と実直に向き合い取り組み続けてきた中村さんの和紙からは心地よい手触りと温かみを感じることができます。
本展では伝統的な和紙、原紙、障子紙、紙布、大紙や、桜や柿渋などの草木染め、普段の生活にも使いやすい、便箋、封筒、懐紙、一閑張の花器、敷板、ライトスタンドなどを展示販売いたします。また、楮の皮など素材自体を大胆に活用したり紙を300枚重ねた平面作品など、手漉き和紙ならではのダイナミックな作品群もご覧いただけます。この機会にぜひお越しください。
展示は6月29日(土)まで開催、作家在廊日は6月29日です。
会期中の休館日:6月5,6, 18,19,20日
中村功さんは徳島県那賀町拝宮という標高600m、四国の南東部を流れる那賀川の支流に沿った自然豊かな山間地で拝宮和紙の伝統を守りながら制作を続けておられます。
中村さんは楮の繊維質な表情が出たパリッ、ピリッと破れる「寒(かん)」とした紙質にこだわりを持って制作されており、紙漉きをする時期は冬の間、上質な谷水と、原料は自身で栽培している楮【成長が遅く繊維が短いため紙にした時に密度が高い赤楮(アカソ)】を100%使用しています。拝宮の村の高齢化と過疎化問題、暖冬によって楮の成長が早まり赤楮本来の特徴が出ない、動物による自然被害など様々な障害を乗り越えて制作を続けてきたそうです。
江戸時代末期に最盛を迎え、先祖代々受け継いできた拝宮の紙漉き文化。村の小学校が廃校になると決まり、村の未来に危機感を感じた中村さんは27歳の時に紙漉きを始めました。未来への活路があると信じて村のため今日まで活動を続け、今や全国、海外にまで活動範囲を広げておられます。
自然に出た紙の曲がりや楮の繊維に接着力があるため紙がもつれた表情など「自分が全てに手をかけるのではなく紙から自然を引き出して拝宮和紙をどう表現できるか、ということを常々考えながら制作してきた」風土の変化により昔と同じ作り方はできない中で拝宮和紙の文化と実直に向き合い取り組み続けてきた中村さんの和紙からは心地よい手触りと温かみを感じることができます。
本展では伝統的な和紙、原紙、障子紙、紙布、大紙や、桜や柿渋などの草木染め、普段の生活にも使いやすい、便箋、封筒、懐紙、一閑張の花器、敷板、ライトスタンドなどを展示販売いたします。また、楮の皮など素材自体を大胆に活用したり紙を300枚重ねた平面作品など、手漉き和紙ならではのダイナミックな作品群もご覧いただけます。この機会にぜひお越しください。
展示は6月29日(土)まで開催、作家在廊日は6月29日です。
会期中の休館日:6月5,6, 18,19,20日
2019年5月31日金曜日
re:planter 村瀬 貴昭 展 公開植栽「Live-planting」
2019年5月28日火曜日
第194回 音を楽しむ会
真夏日の天気になった板室にて5月の音を楽しむ会はピアノ北村晶子さんとソプラノ松原有奈さんによるオペラと昭和歌謡を織り交ぜた演奏会が行われました。
眩しい陽ざしに映える板室の木々の緑と調和するようなヘンデルの歌劇「セルセ」より”なつかしい木陰”をオープニングで披露、太陽の香りを運ぶ風のように爽やかな曲でした。
プッチーニの歌劇「トゥーランドット」より”お聞きください、王子様”と「蘇州夜曲」は曲の背景が中国という共通点があり北村さんがこの2曲を編曲して演奏されました、オペラと歌謡曲が相互に魅力を引き出し合う様子は北村さんと松原さん御二方の関係にも見て取れて相乗効果で曲のメロディーが響き合うように感じました。
昭和28年の「君の名は」と質問に答えるようにプッチーニ歌劇「ラ・ボエーム」より”私の名はミミ”を披露、ピアノと歌声から湧き上がる音楽の流れはまるで滝のように壮大に涼しげに会場に響き渡っていくようでした。
ピアノソロ、ファリャの「恋は魔術師」より”火祭りの踊り”、音の屏風がリズミカルに生み出され続けていくように美しく華やかな展開が最後まで繰り広がり、夜空に燃え上がる炎が情景として鮮烈に残る曲だと感じました。
「川の流れのように」ここまでの楽曲演奏で築きあげた音楽世界を綺麗に包み込む極光のように弧を描き重なり音楽が輝いて心に染み入る歌声が印象的でした。
松原さんが幼少の頃から大好きで歌っていた「ブルー・ライト・ヨコハマ」とロドリーゴの「アランフェス協奏曲」を融合した曲を披露、この2曲はコード進行が似ていると北村さんが発見したそうで、曲の最後には必殺仕事人のテーマがさらりと組み込まれておりユニークな楽曲でした。
「銀座カンカン娘」ではお客様と一緒に歌う場面があり会場は盛り上がっていました。
ピアノソロ、”男はつらいよ”変奏曲、曲の合間にモーツァルトやショパンの楽曲が織り交ぜられカラフルな音色の水滴が跳ねるように音の質感を感じる曲でした。
最後は歌姫をテーマにした「喝采」とプッチーニの歌劇「トスカ」より”歌に生き、恋に生き”、悲しい歌姫を形作るように感傷的なメロディーと心を抉られるような迫真の歌声が印象深く、演奏会の余韻を残しながら音楽が会場に響いていきました。
北村さんの楽曲編曲による音楽の新しい楽しみ方と松原さんのすき透るように響く歌声を堪能できた音を楽しむ会となりました。
次回の音を楽しむ会は6月26日(水)、中橋健太郎左衛門さんによる大黒屋オペラです。
どうぞお楽しみに!
眩しい陽ざしに映える板室の木々の緑と調和するようなヘンデルの歌劇「セルセ」より”なつかしい木陰”をオープニングで披露、太陽の香りを運ぶ風のように爽やかな曲でした。
プッチーニの歌劇「トゥーランドット」より”お聞きください、王子様”と「蘇州夜曲」は曲の背景が中国という共通点があり北村さんがこの2曲を編曲して演奏されました、オペラと歌謡曲が相互に魅力を引き出し合う様子は北村さんと松原さん御二方の関係にも見て取れて相乗効果で曲のメロディーが響き合うように感じました。
昭和28年の「君の名は」と質問に答えるようにプッチーニ歌劇「ラ・ボエーム」より”私の名はミミ”を披露、ピアノと歌声から湧き上がる音楽の流れはまるで滝のように壮大に涼しげに会場に響き渡っていくようでした。
ピアノソロ、ファリャの「恋は魔術師」より”火祭りの踊り”、音の屏風がリズミカルに生み出され続けていくように美しく華やかな展開が最後まで繰り広がり、夜空に燃え上がる炎が情景として鮮烈に残る曲だと感じました。
「川の流れのように」ここまでの楽曲演奏で築きあげた音楽世界を綺麗に包み込む極光のように弧を描き重なり音楽が輝いて心に染み入る歌声が印象的でした。
松原さんが幼少の頃から大好きで歌っていた「ブルー・ライト・ヨコハマ」とロドリーゴの「アランフェス協奏曲」を融合した曲を披露、この2曲はコード進行が似ていると北村さんが発見したそうで、曲の最後には必殺仕事人のテーマがさらりと組み込まれておりユニークな楽曲でした。
「銀座カンカン娘」ではお客様と一緒に歌う場面があり会場は盛り上がっていました。
ピアノソロ、”男はつらいよ”変奏曲、曲の合間にモーツァルトやショパンの楽曲が織り交ぜられカラフルな音色の水滴が跳ねるように音の質感を感じる曲でした。
最後は歌姫をテーマにした「喝采」とプッチーニの歌劇「トスカ」より”歌に生き、恋に生き”、悲しい歌姫を形作るように感傷的なメロディーと心を抉られるような迫真の歌声が印象深く、演奏会の余韻を残しながら音楽が会場に響いていきました。
北村さんの楽曲編曲による音楽の新しい楽しみ方と松原さんのすき透るように響く歌声を堪能できた音を楽しむ会となりました。
次回の音を楽しむ会は6月26日(水)、中橋健太郎左衛門さんによる大黒屋オペラです。
どうぞお楽しみに!
2019年5月8日水曜日
5月 Re:planter 村瀬貴昭 展
5月の展覧会はゴールデンウィークをはさみ、4月25日より「Re:planter 村瀬貴昭 展」が大黒サロンにて開催しています。
京都在住で植栽家の村瀬さんは幼少期にお祖父様の盆栽、10代の中学生の頃にアクアテラリウム、青年期に希少植物コレクター、それら独学を経て2012年よりソロプロジェクト「Re:planter」を開始されました。
Re:planter とはRecycle(再生)×Plants(植物)×player(者)という意味、活動として消費社会における自然からの返信(Re:)をテーマにあらゆる植物と人工物を融合し理にかなった植栽表現を探求することが挙げられています。
代表作「SpaceColony」シリーズは忙しい生活と小さな住空間で暮らす現代人の新たな中庭照明として制作され、植物は光源のLEDと数週間に1度の水やりで育成、鑑賞者は球内で生成し変化する様々な生命を身近に感じることができるようになっています。
月面に環境循環や宇宙空間に居住空間を作るスペースコロニー計画のように植物の生命循環空間を作ることがテーマになっており、村瀬さんの "植物に対して多少手をかけてあげたりお世話をする方が人にとって良いのではないか" という思いが込められています。
作品タイトルはユーモア溢れるものが多数あり村瀬さん曰くイメージのインスピレーションは "植物から人間へ発信された宇宙信号のようなもの" だそうで、SpaceColonyが作り出す独特の不思議な癒し空間をより一層味わい深く感じることができます。
本展では "日常生活の中に植物を持ち込むことで生きものがどう変わっていくか、生きものをどう見立てていくか" という村瀬さんのメッセージを感じながら作品を鑑賞できるようにサロン空間から客室内も含めて館内広々と展示をしています。植物をメインとした展覧会は大黒屋では初の試みとなります、ぜひ会場でご高覧いただき本展ならではの空間を感じていただけましたら幸いです。
10連休のゴールデンウィークが終わりまして新緑が気持ちのよい穏やかな季節になってきました。ぜひ板室温泉までお越しください。
展示は5月30日(木)まで開催、作家在廊日は5月30日です。
会期中の休館日:5月8,9, 22,23日
*
京都在住で植栽家の村瀬さんは幼少期にお祖父様の盆栽、10代の中学生の頃にアクアテラリウム、青年期に希少植物コレクター、それら独学を経て2012年よりソロプロジェクト「Re:planter」を開始されました。
Re:planter とはRecycle(再生)×Plants(植物)×player(者)という意味、活動として消費社会における自然からの返信(Re:)をテーマにあらゆる植物と人工物を融合し理にかなった植栽表現を探求することが挙げられています。
代表作「SpaceColony」シリーズは忙しい生活と小さな住空間で暮らす現代人の新たな中庭照明として制作され、植物は光源のLEDと数週間に1度の水やりで育成、鑑賞者は球内で生成し変化する様々な生命を身近に感じることができるようになっています。
月面に環境循環や宇宙空間に居住空間を作るスペースコロニー計画のように植物の生命循環空間を作ることがテーマになっており、村瀬さんの "植物に対して多少手をかけてあげたりお世話をする方が人にとって良いのではないか" という思いが込められています。
作品タイトルはユーモア溢れるものが多数あり村瀬さん曰くイメージのインスピレーションは "植物から人間へ発信された宇宙信号のようなもの" だそうで、SpaceColonyが作り出す独特の不思議な癒し空間をより一層味わい深く感じることができます。
本展では "日常生活の中に植物を持ち込むことで生きものがどう変わっていくか、生きものをどう見立てていくか" という村瀬さんのメッセージを感じながら作品を鑑賞できるようにサロン空間から客室内も含めて館内広々と展示をしています。植物をメインとした展覧会は大黒屋では初の試みとなります、ぜひ会場でご高覧いただき本展ならではの空間を感じていただけましたら幸いです。
10連休のゴールデンウィークが終わりまして新緑が気持ちのよい穏やかな季節になってきました。ぜひ板室温泉までお越しください。
展示は5月30日(木)まで開催、作家在廊日は5月30日です。
会期中の休館日:5月8,9, 22,23日
*
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