2024年7月4日木曜日

2024年7月 履物 関づか展

 板室温泉大黒屋では7月4日より大黒屋サロンにて「履物 関づか展」を開催しております。


 本展覧会では、京都の岩倉にお店を構える「履物 関づか」の店主兼職人である関塚真司氏の草履の展示受注販売と氏のコレクションする古い履物や道具などを展示いたします。

 関塚真司氏は新潟県出身。フランスの革靴メーカーにて勤務の後、京都・祇園町の誂え草履の老舗で履物製作に従事し、十数年の修行を重ね独立。2020年、京都・岩倉に履物を専門に取り扱う「履物 関づか」とギャラリー「岩倉AA」をオープン。分業の世界であった履物を、自身の目で見て素材から吟味。お客様の好みを受けて、草履の色や大きさ、組み合わせを提案しひとりひとりの足を計測して制作しています。



 本展覧会では、様々な土台と鼻緒を用意しオーダーメイドの草履をお求めできます。また関塚氏本人による採寸受注会を行いますので、在廊日に合わせてぜひご来館くださいませ。

*在廊日以外でも、採寸受注は受け付けております。



また大黒屋別注の草履(伝統的な手仕事にEVAソール)を特別に2種類展示販売いたします。

本展覧会では、受注販売と同時に関塚氏自身が資料としてこれまで蒐集してきた歴史的な履物、草鞋、ビーズ草履、下駄道具、深沓、かんじきなどを展示し、「履物」の歴史と生活や仕事、環境に寄り添った「履物」の歩みを垣間見ることができます。

 ぜひ、この機会にご高覧いただけたら幸いです。


会期 : 2024 年 7月 4日 (木) - 7月 29 日 (月) 9:00 - 17:00


*展示は宿泊以外の方もご覧いただけます。

*7月4日のみ13時から開館いたします。


2024年6月26日水曜日

第242回 音を楽しむ会

     6月の音を楽しむ会はクラヴィコード 内田輝さんによる演奏会でした。



                  今回の演目は...

               1. 「 Moj 」

               2. 「 グレゴリオ聖歌 編曲 」

               3. 「 雫 」

               4. 「 silk road 」



「“音を楽しむ”というコンセプトなので、生音の世界観に耳を澄ましてほしい」と照明や空調を全て切り、蝋燭1本だけを灯して、開演しました。

ペルシア語で「波」を意味する「 Moj 」。波が寄せては引くように、穏やかで心地好い音色が会場を流れていきます。

西洋から東洋へ、ゆっくりと長い旅路を歩むかのように、壮大で厳かな雰囲気すらも感じさせる「 silk road 」。西洋の楽器を清水寺の舞台に使われていた木材で作り、大黒屋で演奏することによって、より一層感慨深い一曲となりました。

耳を澄まし一音一音と向き合うことで、より音の感情、記憶を受け取ることができるクラヴィコード。

繊細な音だからこそ、奏でられた音の異なる世界観や耳が慣れ始めた時の感覚の違いを楽しむことができた、音を楽しむ会となりました。





次回の音を楽しむ会は8月26日(月)、鼓 藤舎呂英さんによる演奏会です。

どうぞお楽しみに!

※7月の音を楽しむ会は休演です。


2024年5月31日金曜日

2024年6月 安齊賢太展

 板室温泉大黒屋では5月31日より大黒屋サロンにて「安齊賢太 展」を開催しております。

1980年福島県生まれ。大学卒業後、会社員を経て京都伝統工芸専門学校にて陶芸を学び、その後渡英しダニエル・スミス氏に、帰国後は静岡にて黒田泰蔵氏に師事し、2010年福島県郡山市にて独立、現在も同地で作陶しています。安齊さんの黒のうつわは洗練されたフォルム、質感が特徴的です。粘土を成形し一度焼いた後に、磁器質の黒土に漆を混ぜたものを塗り、乾燥させては磨きあげるという作業をおよそ10回ほど繰り返し、最後にそれを焼きつけ磨きあげて仕上げます。漆は土台となる焼物に黒を定着させる糊の役目をはたしており、またうつわの強度を高めています。独自の制作方法でつくる作品は、独特の質感を伴い不思議と長い年月を感じさせ自然石のように固くも肌のような柔らかさを備えています。


以下、本展覧会にむけて

「自分が物を見る時に気をつけている事は、なんの構えもなく見るという事です。編集された空間ではそれもなかなか難しいと思いますが、その点で大黒屋さんは日々の生活に近いところで展示が見られる場所です。お茶を飲みながら、食事をしながら、庭を見ながら。お勧めは夜に温泉に浸かった後、暗がりの誰もいない場所で見る展示です。そんな中でスッと気になるものを見つけてもらえたら幸いです。嬉しいことに上野さんにも花をいけていただけるとのことで、それも楽しみにしています。どうぞよろしくお願いいたします。」 安齊賢太



本展では花器、壺を中心におよそ80点を展示いたします。近年は、中国、台湾、ニューヨーク、ヨーロッパなどでも展覧会を開催し、国際的にも活躍されています。一度触れたら忘れることのできない感覚、そんな美意識に働きかける作品です。ぜひご高覧いただけたら幸いです。


【特別企画】

花道家の上野雄次氏による、展示作品への「花いけ」を初日4日間限定(5/31, 6/1, 2, 3)で催しました。


会期 : 2024 年 5月 31 日 (金) - 6月 30 日 (日) 9:00 - 17:00

会期中の休館日:6月4,5,6,18,19,20日

*展示は宿泊以外の方もご覧いただけます。

*5月31日,6月7日,6月21日のみ13時から開館いたします。



2024年5月26日日曜日

第241回 音を楽しむ会

 5月の音を楽しむ会はチェロ 黒川正三さん、ピアノ 黒川文子さんによる演奏会でした。



今回の演目は...

            バッハ=グノー   アヴェ・マリア

            サンサーンス    白鳥

            メンデルスゾーン   協奏的変奏曲 作品17

            メンデルスゾーン   チェロソナタ 第2番 ニ長調 作品58

            メンデルスゾーン   歌の翼に

            ラフマニノフ      ヴォカリーズ

            作曲者不明       アメイジンググレイス


 

サンサーンス作曲「白鳥」では水面が美しく澄んだ様をピアノで、気持ちよく優雅に泳ぐ様をチェロの音色で表現して頂きました。

メンデルスゾーン作曲「チェロソナタ 第2番 ニ長調 作品58」は約30分もの大曲。メンデルスゾーンの人柄が存分に出ている、繊細で技巧的な一曲です。ピアノの技術の高さと音の数に圧倒されつつ、チェロの一音一音深く厚みのある音色に聞き入りました。

アンコールの「アメイジンググレイス」は“感動して泣きそうになり、すぐ部屋に戻った”というお客様がいる程、心に響く一曲でした。

お二人の人柄が溢れ出る、温かく、味わい深い音色を堪能できた音を楽しむ会となりました。





次回の音を楽しむ会は6月26日(水)、クラヴィーコード 内田輝さんによる演奏会です。

どうぞお楽しみに!


2024年4月26日金曜日

第240回 音を楽しむ会

4月の音を楽しむ会はピアノ 橋本秀幸さん、ヴァイオリン Atowa Yuriさんによる演奏会でした。



今回の演目は...

 improvisation

 kagamino

 fractal

 yama

 koto

 maru         

 即興曲         など...



鳥のさえずりが静かに聞こえる会場。橋本さんのじんわり暖かいピアノの音色が会場を包みます。

会の後半にはAtowaさんとのデュオ演奏。お互いの演奏を見ながら、場の雰囲気を感じ、音を紡ぎます。

お二人の紡ぐ音には色や温度があり、その音色から過去の思い出や日々の喜び憂いといったものを感じることができます。

橋本さん、Atowaさんの温和で包容力のある音色に聞き入った音を楽しむ会となりました。




次回の音を楽しむ会は5月26日(日)、チェロ 黒川正三さんによる演奏会です。

どうぞお楽しみに!


2024年4月25日木曜日

2024年5月 八木夕菜展

板室温泉大黒屋では4月25日より大黒屋サロンにて八木夕菜展「Superposition」を開催しております。


八木さんはニューヨーク・パーソンズ美術大学建築学部卒業。カナダ、ニューヨーク、ベルリンを経て現在は京都を拠点に活動しています。建築事務所での勤務を経て、写真家として建築物を撮影することから「見る」という行為を捉え直し、物事の真理を追求し、視覚と現象を用いたインスタレーション、建築などで使われる素材などを用いた平面と立体の間を行き来する作品など、一貫して「見ることの本質」をテーマに時空の概念を重ねる作品を制作しています。アクリルブロックと写真を組み合わせ光の屈折によって見る角度が異なる景色を映し出す作品。写真にアルゴリズムを当てはめ平面の中で画像を歪ませる作品。写真を金属に印刷し折り曲げた作品など、写真の見せ方によって、視覚できるものの認識の仕方を意図的に意識させ、鑑賞者に多角的な視点を生み出しています。



以下、本展示に向けて作家によるステートメント


あれは夢だったのか、さだかではない。目覚ましが鳴り、時計を見ると9時。もうこんな時間だと慌てて支度を始める。すると、また同じ音の目覚まし時計が鳴り、もうひとりの自分が目を覚ました。時計を見ると針は7時を指していた。見間違えたわけではない。確かに最初に起きたのは9時だった。少し先の時間を生きている「私」と現在の「私」。現在とはいえ、今が既に過去にすら感じる不思議な体験。どちらも「リアル」な感覚があり、何人もの「自分」が多重の時間を過ごしているように感じられた。

近年、私が夢で体験した「時間」「存在」「空間」の多重性を紐解き、写真におけるSTILL LIFE(静止画)を探求している。今回はそれらのテーマに沿った2つの作品を新たに発表する。

ひとつは、それぞれの時間軸を持った花や石、乾燥した植物、種、鉱石、金属、ガラス、樹脂たちが同時に複数の時間軸で存在しているという事と夢の感覚を重ねる試み。ふたつ目は、AIによって生成された時間の概念と人間の感覚や経験に基づく時間の経過を可視化した二つの視点を合わせること。私にとってそれらは、我々が日常的に受け入れる「時間の流れ」とは異なる、時間の断片化と再構築がもたらす存在の複層性に自己を確認する行為なのかもしれない。

 

限りあるものが偏在する。

この世界は出来事の集まりなのである。



板室温泉大黒屋では、初めての個展となる「Superposition」。言葉をヒントに作品作りをするという八木さんは、カルロ・ロヴェッリの著書「時間は存在しない」を読んだ経験から時間の認識、幻想性について思慮し自身の表現を深化させています。本展ではこれまで実践してきた作品群と新作を組み合わせて約15点を展示いたします。この機会にぜひご高覧いただけたら幸いです。


会期 : 2024 年 4月 25 日 (金) - 5月 27 日 (月) 9:00 - 17:00

会期中の休館日:5月 14日,15日,16日

*展示は宿泊以外の方もご覧いただけます。

*4月25日,5月17日のみ13時から開館