2021年10月26日火曜日

第215回 音を楽しむ会

   10月の音を楽しむ会は中橋健太郎左衛門さん(指揮)、城宏憲さん(イル・トロヴァトーレ役、テノール)、野村光洋さん(ルーナ伯爵役、バリトン)、城えりかさん(アズチェーナ役、メゾソプラノ)、イ・スンジェさん(レオノーラ役、ソプラノ)、高瀨さおりさん(ピアノ)による大黒屋オペラ第14回公演ヴェルディ作曲「イル・トロヴァトーレ」名場面を行いました。

15世紀初頭、スペイン ビスカリャ地方、アラゴン地方にて

アズチェーナのアリア アズチェーナが、息子のトロヴァトーレに過去の因縁を語るアリア。トロヴァトーレが本当に敵方のルーナ伯爵の実の弟である事が暗示される。

ルーナ伯爵のアリア レオノーラに対する想いが歌われる。

第2幕フィナーレ 修道院に入ろうとするレオノーラ、それを阻止して拉致しようとするルーナ伯爵、さらに助けに入るトロヴァトーレ。トロヴァトーレはレオノーラの救出に成功。一方ルーナ伯爵は、目の前でレオノーラを連れ去られ、怒りに震える。

城えりかさんの華やかなアリア、野村さんの剛健なアリア、3人の思いが交錯する緊迫の三重場面では城宏憲さんの歌声が高らかに響きました。

レオノーラを助け出し、トロヴァトーレの居城で、束の間の安息と愛の場面。結婚式を挙げようとしたまさにその時、トロヴァトーレの母アズチェーナがルーナ伯爵に捕えられ、処刑されようとしている知らせが入る。決意のアリア「燃える炎」を歌い、敵方ルーナ伯爵の城へ向かう。

ルーナ伯爵の城にてトロヴァトーレは戦いに敗れ捕えられている。そこへ恋人レオノーラが忍んで来る。彼女はルーナ伯爵に、自らの身を任せる代わりにトロヴァトーレの助命を嘆願しルーナ伯爵も承諾。しかし、レオノーラはじわじわ効果をあげる毒をあおる。処刑を待つトロヴァトーレとアズチェーナの親子、死に瀕するレオノーラ、嫉妬に狂うルーナ伯爵の思いが入り混じるクライマックス。助命の約束を破りトロヴァトーレを処刑するが、それは赤ん坊の時に生き別れた、自分の弟なのであった、、、

イ・スンジェさんの煌びやかな歌声と共に高瀨さんのピアノが鳴り響き、中橋さんの指揮によってオペラの世界が紡がれていく演奏に感動しました。素晴らしい舞台でした!

中橋さん率いる大黒屋オペラの世界を堪能できた音を楽しむ会となりました。                                     ご来場いただいた皆様ありがとうございました。



次回の音を楽しむ会は11月26日(金)、 笛 福原寛さんです。                                        どうぞお楽しみに!

2021年10月1日金曜日

2021年10月 矢野直人・浜野まゆみ展

  10月1日より大黒屋サロンにて「矢野直人・浜野まゆみ展」を開催しております。

矢野直人さんは、古唐津を磁器質の焼物と捉え、粘土ではなく砂岩を用いて作陶されて いる唐津でも数少ない陶芸家の一人です。唐津の砂岩を掘り採取して土や釉薬を作るま での全ての工程を自身で行い、薪窯で焼いています。砂岩は採取する地層によって質や粒子に違いがあり、その特性を生かして黒唐津、朝鮮唐津、斑唐津、絵唐津、山瀬、皮鯨、 刷毛目、粉引、李朝など、古唐津の流れにあるものを制作しています。 


浜野まゆみさんは、大学では日本画を選考し卒業後、有田の窯業大学校にて陶芸を学びました。「糸切り成型」という江戸初期に始まり、その後まもなく石膏型の技術により途絶えてしまった成形法の研究と再現に取り組みながら制作をしています。糸切り成形は 粘土板を糸で適当な厚さにスライス(糸切り)し、型に当てて成形します。高台は型に合わせて粘土のひもをつけて板状にし貼り付けて成形するので、複雑な形を作ることができるのが特徴です。成形に非常に手間のかかる技法ですが、日本画出身の技術を生かした絵付けにより繊細で美しいうつわを制作しています。


お二人とも、古唐津、初期伊万里と古いものに魅了されていますが、ただの写しを制作することではなく、400 年以上前の陶工たちがどのようなに焼き物と接してきたか、原料、 技術、方法を体現することで現代にも合う作品を作り上げるところにお二人の魅力が詰まっているように思います。 本展示では、矢野さんは茶碗、花器、酒器、向付に碗などのお皿。浜野さんは糸切り成型で作られた器に、蕎麦猪口、酒器、白土の粘土を塗ってから型紙をはがす「型紙摺り」という技法による器など展示致します。季節を感じられるうつわとしてぜひ、手にとってじっくりご覧いただけたら幸いです。 


会期 : 2021 年 10 月 1 日 (金) - 10 月 30 日 (土) 9:00 - 17:00                ※展示は宿泊以外の方もご覧いただけます。


2021年9月26日日曜日

第214回 音を楽しむ会

  9月の音を楽しむ会は謡・舞 川口晃平さん、笛 熊本俊太郎さんと太鼓 澤田晃良さんによる「能の五番立」を行いました。

初番目「高砂」を神々しい舞にて、二番目「敦盛」(長良川薪能版)は武士の哀れを、優美な三番目「羽衣」では天女が月に帰る情景を謡で披露していただきました。

太鼓打ちの天才少年を舞で表現した四番目「天鼓」、五番目「船弁慶」では怨霊が薙刀を振るう様や義経との対決の場面を鋭い笛と太鼓の囃子にのせて謡が怒涛の展開を繰り広げました。

川口晃平さん、熊本俊太郎さんと澤田晃良さんによる能の世界を堪能できた音を楽しむ会となりました。                                     ご来場いただいた皆様ありがとうございました。



次回の音を楽しむ会は10月26日(火)、 中橋健太郎左衛門さん率いる大黒屋オペラです。                                        どうぞお楽しみに!

2021年9月1日水曜日

2021年9月 竹籠展

  9月1日より大黒屋サロンにて「竹籠展」を開催しております。


本展は、竹工芸収集の第一人者であり、研究者の斎藤正光氏監修による展覧会になります。氏は国内外の美術館での展覧会の監修・プロモーションなど手掛けています。
「飯塚琅玕斎展」(栃木県立美術館)、「竹の造形 ロイド・コッツェン・コレクション展」(日本橋三越、大分市美術館など国内 6 箇所で開催)「New Bamboo : Contemporary Japanese Masters」展(ジャパンソサエティー、ニューヨーク)、「線の造形 線の空間 飯塚琅玕齋 と田辺竹雲斎でめぐる竹工芸」(菊池寛実記念 智美術館、東京)などに協力したほか、 NHK「美の壺」の「竹籠」編や多数の出版物の企画にも携わっており、内外の美術館やコレクターに日本の優れた竹工芸を紹介するなど、竹文化の普及に尽力しています。

竹工芸は、少しマイナーなイメージがありますが、日本人と竹の関わりの歴史は古く、縄文時代から使われていたとされています。カゴやザル類、食器や掃除道具などの日用品から、農業、漁業での道具、茶道や華道の道具、笛や尺八などの楽器、竹刀や弓などの武道具、また伝統的な日本家屋にはいたる所に竹が使われていたことから、私たちの生活や文化に根差した素材だといえます。 栃木県は、大分県と並ぶ竹工芸の盛んな産地でもありますが、それは大正から昭和にかけて活躍した伝説の籠師、栃木県出身の飯塚琅玕齋が、それまで道具として見られていた竹籠を伝統的な技術に独創的な意匠を加え、芸術品にまで高めたと言われています。 

当館では過去に県在住の勝城蒼鳳、磯飛節子の個展などを開催しております。本展覧会は、 斎藤さんの審美眼で厳選された全国の無銘の竹籠や民具、江戸から昭和に活躍した名工達の竹籠、掛花、菜籠、花籃、盛籃、炭斗など様々な竹工作品およそ100 点を展示致します。  この機会にぜひご高覧いただけましたら幸いです。

出展作家例 石川照雲、石川四海、横田奉斎、水谷六々斎、飯塚鳳竹、二代田辺竹雲斎、飯田清石、 末村笙文、小菅竹堂、伊藤乃武方、塩月芽羅尼、塩月寿籃、江殿巧芳斎、山下巧竹斎、 生野徳三、竹美斎、竹抱斎、竹龍斎、中田錦石、田辺光雲斎、飯塚薫石、八木沢基石、 八木沢啓造、蛤谷空斎、鈴木旭斎、和田和一斎 


会期 : 2021 年 9 月 1 日 (水) - 9 月 29 日 (水) 9:00 - 17:00                ※展示は宿泊以外の方もご覧いただけます。


2021年8月26日木曜日

第213回 音を楽しむ会

 8月の音を楽しむ会はヴァイオリン青木高志さんとピアノ弘中美枝子さんによる演奏会を行いました。 

ご学友として求める音楽性に共通点がある青木さんと弘中さん、歌曲のR.シュトラウス作曲「Die Nacht」と「Morgen」、ドヴォルザーク作曲「我が母の教え給いし歌」を披露していただきました。安らかな音色にうっとりしました。

ブラームス作曲「ヴァイオリンソナタ第3番」、各楽章ごとで美しいハーモニーによる劇的な展開が繰り広げられ、音楽が明確に形を持って眼前の情景として映し出された感覚がありました、お二方の音楽世界に感動しました。

アンコールでは爽やかなブラームス作曲「調べのように」を披露していただきました。

青木さんと弘中さんによる流麗な演奏を堪能できた音を楽しむ会となりました。      ご来場いただいた皆様ありがとうございました。



次回の音を楽しむ会は9月26日(日)、能  川口晃平さんの予定です。                                        どうぞお楽しみに!