2020年11月26日木曜日

第209回 音を楽しむ会

 11月の音を楽しむ会は、ピアノ 中橋健太郎左衛門さん、テノール 佐々木洋平さん、ソプラノ 田崎尚美さんによる大黒屋オペラ特別公演「ドイツオペラ ガラコンサート」を行ないました。ガラコンサートの「ガラ」とは祝祭などの意味で、様々な作品から名場面を抜粋して上演する形式のことです。

ウェーバー(1786-1826)作曲 歌劇「魔弾の射手」より マックスのアリア 「嫌だ!この苦しみは希望を奪い〜我は楽しくさすらった」イタリア歌劇で支配されていた時代のドイツに、自国語(ドイツ語)オペラ作品を確立した記念碑的作品の本作。主役のテノール、マックスによって第1幕に歌われる、絶望に満ちた語り部分と恋人との思い出を歌う旋律、劇的な管弦楽で表現されるスケールの大きなアリアを佐々木さんが披露。

ワーグナー(1813-1883)作曲 歌劇「さまよえるオランダ人」より 「ゼンタのバラード」7年に一度しか上陸を許されない呪いをかけられ大海をさまようオランダ人。絶望を救えるのは、乙女の献身的な愛だけである。未だ見ぬ運命の人であるオランダ人を想って歌う、劇的なアリアを田崎さんが披露。

リヒャルト シュトラウス(1864-1949)作曲 歌劇「ばらの騎士」より「イタリア人歌手のセレナーデ」貴族のお屋敷に楽しませにやって来る一団、その中の一人のイタリア人歌手によって歌われるアリア。ドイツ語作品ながら、イタリア人という設定なので、ここだけイタリア語で歌われる。

ヨハン シュトラウス(1825-1899)作曲オペレッタ「こうもり」より ロザリンデのチャルダッシュオペレッタとは、音楽に加えて、台詞(芝居)や踊りも加わったより娯楽性の強いもので、その子孫がミュージカルである。宴の中で、ハンガリー人に扮したロザリンデが歌うハンガリー風の楽しいアリアである。

ワーグナー(1813-1883) 楽劇「トリスタンとイゾルデ」より第2幕愛の二重唱 〜 全幕幕切れのイゾルデ「愛の死」ヨーロッパ伝統のいわゆるクラシック音楽に、一大革命を起こした画期的作品。媚薬とすれ違いによって愛し合うようになった騎士トリスタンとイゾルデ姫による、陶酔に溢れた二重唱から、全幕幕切れにイゾルデによって演じられる「愛の死」を続けて披露。

佐々木さんと田崎さんのしなやかで美しい歌声と中橋さんの流麗な旋律が織り成す迫真のガラコンサートを堪能できた音を楽しむ会となりました。                  ご来場いただいた皆様ありがとうございました。


次回の音を楽しむ会は12月26日(土)、ソプラノ 西田真以さんです。           どうぞお楽しみに!

2020年11月1日日曜日

2020年11月 瀬沼健太郎展

 11月1日より大黒屋サロンにて、ガラス作家 「瀬沼健太郎展」を開催しております。

瀬沼さんは、東京都生まれ多摩美術大学デザイン科を卒業後、ガラス工房での勤務や大学での非常勤講師を経て2010年に東京で独立、現在は秋田公立美術大学准教授として後進の指導にあたりながら、展覧会を定期的に開催し精力的に活動されています。

瀬沼さんの作品の多くは古陶磁の形の普遍的な要素をガラス器に写した作品が特徴的であると同時に、制作の基本に水を大きなテーマとして捉えています。ガラスの瑞々しさを引き出し、水を見せるにはどのようにしたらよいかを常々考えて制作しており、また自身で花を生けることでも知られ、器をつくること、花を生けることどちらの行為もとても大事にされています。瀬沼さんは季節によって変化する植物など日常のちょっとした‘美’に気づけることを自身の作品を通して手助けができたら嬉しいと言います。

2018年の夏以来、2回目となる本展示では、板室の秋に合わせ花器を中心に酒器やグラスなどを展示いたします。ぜひご高覧いただけたら幸いです。

会期:2020年11月1日(日) − 11月29日(日) 9:00 - 17:00
作家在廊予定日: 11月1日
※展示は宿泊以外の方もご覧いただけます。