2017年11月29日水曜日

第176回 音を楽しむ会


11月の音を楽しむ会はソプラノ 西田真以さんとピアノ 中ノ森めぐみさんによる演奏会が行われました。お2人はミラノヴェルディ音楽院出身で イタリアで培ったオペラの数々を披露されました。

1曲目ベッリーニ作曲 ”優しい妖精、マリンコニーアよ” の演奏が終わるとたちまち会場から「bravo」の拍手大喝采が起こりました。臨場感溢れる演奏で一気にお客様をオペラの世界へ魅き込みました。


同じくベッリーニの作品から2曲 シェイクスピア以前に言い伝えられたロミオとジュリエットの物語 オペラ「カプレーティとモンテッキ」より ”ああ、幾たびか” 、古代ケルトの自然を神と信仰していた祈りの歌 オペラ「ノルマ」より ”清らかな女神よ”を披露。

西田さんの情緒ある美麗な仕草と見事に流麗な歌声が奏でる迫真のオペラ歌曲はまさに恍惚の境地に至る素晴らしいもので会場のお客様を魅了し続けました。

叙情的な1曲プッチーニ作曲オペラ「ジャンニ・スキッキ」より ”私のお父さん”

 大黒屋との「お宿つながり」ということで選曲されたドニゼッティ作曲オペラ「リタ」より”このお洒落で清潔な、愛らしい宿よ” はコメディー調な明るい曲で会場も華やかな雰囲気に。

中ノ森さんはピアノ曲 レスピーギの ”甘美なワルツ” 、フィギュアスケートでも聴くことのあるショパンの ”ノクターン” も披露。 ピアノの麗らかな旋律と会場の静謐との一体感あるソロ演奏でした。


フィナーレの2曲 ヴェルディ作曲 オペラ「椿姫」より ”さようなら、過ぎ去った日々よ”、プッチーニ作曲 オペラ「蝶々夫人」より ”ある晴れた日に”を披露。心情溢れる演奏で会場は満足と感動の拍手に包まれアンコールの手拍子が。

アンコール曲は日本歌曲 ”初恋”。日本の風光明媚な心地よさのある演奏で最後までお客様を盛り上げ音楽の魅力溢れる素晴らしい演奏会となりました。






次回の音を楽しむ会は12月26日(火)オペラ 中橋健太郎左衛門さんです。
どうぞお楽しみに!

2017年11月18日土曜日

菅木志雄 倉庫美術館10年のあゆみ

ただいま大黒屋サロンでは菅木志雄の新作展を行っています。
展示をご覧になって作品にご興味を持たれた方、ぜひ倉庫美術館もご覧ください。



倉庫美術館は2008年に現在の南の館近くの敷地に菅木志雄の作品を常時展示するスペースとして開館いたしました。





現在の展示では右側のギャラリーを大型のインスタレーション「分体界束」が横断するほか、常時300点ほどの作品を展示しています。
倉庫美術館は国内外で評価の高まる菅木志雄の作品を一堂に介して常時ご覧いただくための場所として開館いたしました。まもなく10周年を迎えますが、これまでは国内国外問わず多くの方々にご来館いただいております。

2008年開館時の倉庫美術館展示の様子


大黒屋では1991年の天の点景の制作からはじまり、経営理念と菅木志雄の思想哲学を共にしながら歩んできています。
倉庫美術館の開館前後には菅木志雄の新作展を12年連続で行ってきました。それら新しい作品を迎えるなど、適宜展示替えを行っています。ご来館いただくごとに違う作品が見つかるかもしれません。

展示替えの様子
2009年の展示
倉庫美術館のご鑑賞は予約制です。毎朝10時から5つの庭のインスタレーションを含めたツアー形式でガイドがご案内しております。ご宿泊以外の方もツアーにご参加いただけますので、事前にお電話でご予約ください。

倉庫美術館鑑賞ツアーの様子
雪道、荒天などの日はツアーが中止になることもあります。
芸術の秋、ぜひ倉庫美術館にもお運びください。

2017年11月7日火曜日

2017年の紅葉のみごろを振り返る

ただいま、板室は周りの山々の色とりどりの錦に囲まれ紅葉の盛りを迎えています。
毎年少しずつ時期が違う紅葉ですが、那須全体では意外と長く楽しめるもの。
今年の紅葉を写真で振り返ります。

10月の初旬、板室では早めに色の変わる木々が染まり始め、秋の気配がちらほらと。



大黒屋周辺で最も気の早い漆の木は緑の背景に鮮やかな赤を見せてくれます。



このころの見頃は茶臼岳です。少し足を伸ばして那須湯本、那須ロープウェイまで
お出かけになると色を変えていく山々をご覧になれます。

10月中旬を過ぎたころ、遠くに見える山々が赤・黄・緑の三色で賑やかになってきました。本格的に秋を感じる頃です。





大黒橋を渡るとすぐに木々が染まり始めているのが体感できるようになります。
落ちた葉を掃くリズミカルな音が聞こえ始めるころです。



10月上旬〜中旬はお車で30分ほどのところにある沼っ原湿原が見頃です。
1時間ほどの木道を散策にお出かけになるのもよろしい時期でしょう。

10月末、紅葉が一斉に赤と黄に染まって客室の目の前に鮮やかな色彩が。
紅葉の見頃の盛りを迎えます。



山の稜線に沿った黄色から赤につづくグラデーションが美しいですね。



散策は朝もおすすめです。川沿いの山に朝日が当たって息を呑む美しさですよ。

11月初旬、紅葉盛りの最後の時期。遠くの山は葉を落としますが、近くの山やお庭は
どの角度から眺めても秋の盛りを楽しめます。




初霜が降りるころ、露に濡れた地面に伸びる影との強いコントラストが美しい早朝の様子です。



今年の紅葉の様子、いかがでしたでしょうか。
見逃した方は、ぜひ来年。
2018年も美しい紅葉が見れますように。

2017年11月1日水曜日

11月菅木志雄新作展

本日より大黒屋サロンにて菅 木志雄 新作展が始まりました。大黒屋では今回で16回目の菅木志雄展の開催です。




菅さんは1960年代後半から70年代前半の「もの派」の動向を牽引した作家として注目をあつめ、現在にいたる長い芸術家としてのキャリアの中、国内外で多くの作品を発表してきました。




本展では新作、未発表作品を含め17点を展示。新しい試みとして同じサイズのレリーフを複数枚使い壁に配置する組作品が数点あり、全体的に色の使用が控えめでモノトーンなトーンでまとまっているのが特徴的です。サロンの空間全体を変えるような見応えのある展示となっています。



1991年の庭「天の点景」の制作から 26年、5つの庭の制作と個展の開催、倉庫美術館の開館など大黒屋の場作りと菅さんの思想哲学は深く関わっています。





本年は第57回ベネチアビエンナーレの「VIVA ARTE VIVA」出品作家として選出されたほかポンピドゥーセンター・メッスで開催されている「Japanorama:1970年代以降の日本のアート」に出品されるなど国際的な大規模な展覧会で菅さんの作品が取り上げられています。



本展は国内で菅さんの最新作をご覧いただける貴重な機会の1つです。
ぜひお運びください。