2020年2月10日月曜日

村井正誠 版画展

2月7日より大黒屋サロンにて「村井正誠 版画展」が開催されております。


村井正誠(1905-1999)は、日本の抽象絵画のパイオニアの一人で、戦後はモダンアート協会の創立メンバーの中心的存在として活躍。「人」をテーマに絵画を制作してきた村井の作品は、鮮やかな色使いと大胆なフォルムの組み合わせが独特で観る人を惹きつけます。


1928年から1932年まで滞欧し、同時代の最先端の美術を吸収するほか、パリのアンデパンダン展にも出品しました。帰国後1939年からは世田谷区に自宅兼アトリエを構え晩年までこの地で精力的に制作を続けました。


大黒屋代表の室井が35年ほど前に現代アートに興味を持ち始めた頃、最初に購入したのが村井作品でした。それだけに深い思い入れのある作品群になります。今回、フレームを制作し直したことで新たな雰囲気をまとった作品となります。本展では、50年から80年代までの版画作品16点を展示いたします。令和の時代にみても全く色褪せない作品群です。
この機会にぜひご高覧ください。

会期:2020年2月7日(金)− 2月28日(金) 9:00 - 17:00   
会期中の休館日:2月18,19,20日 
※展示は宿泊以外の方もご覧いただけます。

2020年1月27日月曜日

第202回 音を楽しむ会

1月の音を楽しむ会は三味線の佐藤通弘さんと佐藤通芳さん、箏の海寶幸子さんによる演奏会が行われました、今回で6回目のご出演です。


通弘さんと通芳さんの三味線の音色がバチバチとぶつかるように激しく響き合っていた
「津軽じょんから節即興掛け合い」、郷愁の念が呼び起こされるように心落ち着く通弘さんソロ「津軽三下がり」、お二人の三味線の豊かな表現力を存分に堪能することができました。


海寶さんソロの吉田検校作曲「千鳥の曲」では箏の繊細な高音で紡がれた華美な音色が会場を包み込んでいました。


再び通弘さんと通芳さんによる演奏では静寂な雰囲気を帯びた音色が印象的な「十三の砂山」、一転して弾ける音が耳に心地よい爽快な津軽甚句「ドダレバチ」を披露、音楽を聴いていて本当に気持ちよかったです。


轟くように力強い撥の音と疾走感ある流暢な旋律が渦巻いた通芳さんソロ「津軽じょんから節」、桜吹雪が色鮮やかに舞い散る情景を鮮烈に音楽で映し出した海寶さんソロ「さくら変奏曲」、臨場感あふれる音楽体験に感動しました。


最後は通弘さんと通芳さんによる「荷方節」、音色で対話する巧妙に噛み合った音楽は体を持って舞台で踊っているような迫力があり、最後はお客様と合わせた「日本一!」の掛け声と三本締めで締めくくり、アンコール「三味線ポルカ」では明るくユーモアのあるパートや超絶技巧の高速演奏が繰り広げられ、再びお客様から「日本一!」の掛け声と三本締めが起こり会場は大いに盛り上がりました。


三味線と箏の魅力を存分に堪能した素晴らしい音を楽しむ会でした、ご来場いただいた皆様ありがとうございました!



次回の音を楽しむ会は2月26日(水)、フルート 森川道代さんです。
今年も音を楽しむ会をどうぞよろしくお願いいたします!お楽しみに!

2020年1月22日水曜日

1月 山本雄基展

1月10日より大黒屋サロンにて「山本雄基展」が開催されております。


山本雄基さんは2010年第5回大黒屋現代アート公募展の大賞受賞をきっかけに、大黒屋で定期的に個展を開催、今回で6回目の個展となります。近年は、アジア、ヨーロッパでの個展やアートフェアでの出品により国内外で注目されている作家の一人です。
北海道帯広生まれで現在は札幌にて活動。2017年より札幌を活動拠点とする作家が中心となって運営しているスタジオ「なえぼのアートスタジオ」では運営メンバーの一人として活躍されています。


山本さんの絵画は10層程のアクリルメディウムの透明層の中で装飾的色彩の円形を画面に配置し、またそれらの存在を反転させるようにくり抜いた円形を重ね、複雑に交錯させ平面に奥行きや重なりを感じさせながらとらえどころのない曖昧さと、法則性を潜ませた絵画を制作しています。見える〇(不透明)と見えない〇(透明なヴォイド)が同時に存在する画面はお互いを対比させることで、どちらかに寄るのではなく間の領域に繊細でありたいという山本さんの思いが込められています。


「相反する事柄を抽象的な状況に置き換え、モノとして成り立たせること」に興味があると語る山本さんの絵画は時にポップで心地よい感覚を鑑賞者に与える反面、平面の層、奥行きの深さは絵画の歴史に対する時間を感じさせます。
作品の背景からは多分野の考え方を勉強している山本さんの思慮深さも感じられます、例えば数学の実数と虚数の関係のように無いモノを利用することで方程式を解くような表と裏の連動が起こり得ることを示唆するなど、最近では多元宇宙論(マルチバース)の考え方をアイディアのヒントに制作しているそうです。


1年半ぶりとなる本展では、大小さまざまな新作、15点を出品致します。メインの作品は新たに1つの〇に見える領域と見えない領域を同時に表現することに挑戦しており、2項対立ではなく様々な領域が必ず常に影響し続けている様子が描かれています。円キャンバスを用いた作品はスクエアのキャンバスに存在していた縦と横のアプローチを無くすことで新しいバリエーションとなっています。この機会にぜひご高覧ください。

会期:2020年1月10日(金)− 2月4日(火) 9:00 - 17:00   
会期中の休館日:1月21,22,23日 
※展示は宿泊以外の方もご覧いただけます。