2017年9月26日火曜日

第174回 音を楽しむ会



9月の音を楽しむ会は
ボタンアコーディオンの伊藤浩子さんです。




今回のテーマは「初心にかえる」
毎年出演していただいていますが、ソロ演奏が10年ぶりで
「初心を思い出して演奏します」と臨まれました。




ボタンアコーディオンは鍵盤アコーディオン
と比べて小回りが効き早い曲を演奏することが可能。


「ディージーフィンガーズ」
指先の軽快な動きで爽やかな躍動感ある音が奏でられます。




アコーディオン演奏では
メロディーと伴奏を鳴らして蛇腹を動かす「呼吸」が重要。


「旅愁のトラさん」
アイルランド民謡の旅愁と男はつらいよのテーマを伊藤さんが編曲。




「リベルタンゴ」
情緒深く哀愁漂う音色
ドラマティックな演奏に会場全体が魅了されました。






次回の音を楽しむ会は10月26日(木)
香道の蜂谷宗苾さんです。
どうぞお楽しみに!

第13回大黒屋現代アート公募展 募集開始

まもなく10月1日より、「第13回大黒屋現代アート公募展」作品募集が始まります。
本日募集要項が公開されました。


詳細および、応募要項・応募書類のダウンロードは大黒屋公式HPの
「公募展」ページをご覧ください。

大黒屋現代アート公募展は毎年400点以上の応募の中から大賞1名、
入選20名程度を選出しております。
審査員は菅木志雄さん(アーティスト)、
小山登美夫さん(小山登美夫ギャラリー代表)、
天野太郎さん(横浜市民ギャラリーあざみ野主席学芸員)です。

社会人・学生を問わず、また平面・立体などメディアを問わず(映像はのぞく)
広く新たな才能を応募しております。

将来アーティストとして世界を目指すみなさまの応募をお待ちしております。


第12回大賞受賞作品「respiration」八木史記


昨年度「第12回大黒屋現代アート公募展」展示風景

2017年9月18日月曜日

小森邦衛 アートを語る会

 髹漆の人間国宝 小森邦衛さんによるアートを語る会が行われました。
 

 漆の歴史、採取方法、加飾や道具の話など「漆ってなに?」というところから、わかりやすく話してくださいました。


 こちらは蒔絵筆。テン、タヌキ、イタチなどの動物の毛を使っています。特に良いのはネズミの脇毛の筆。昔は琵琶湖でネズミを獲る人がいたのですが、現在はいなくなってしまい、入手困難でとても高価になってしまったといいます。


 今回の展示でも見られる網代の盆は、竹を薄く剥ぎ、編んだものに塗りを施す籃胎漆器です。竹の特徴として、木を素地とする木胎などに比べて時間が経っても痩せがなく、くるいが少ないといいます。竹は昔、定規に使われていたくらいですから、その安定性も頷けます。


 漆の仕事は基本的に分業であり、木地屋、塗師、沈金師、蒔絵師など、それぞれの工程ごと専門の職人がいます。
 しかし、小森さんは自分の展覧会で作品を発表するにあたり、誰かにお願いしてやるのではなく、自分で素地から手掛けようと思い立ちました。これが現在の制作の原点となっています。これこそ自分の作品と言えるものであり、初めて作品に「邦衛」というサインを入れても良いのではないかと感じたそうです。


 作家と職人の違いや、お弟子さんたちのことなど、漆工芸の世界を掘り下げた話もあり、会場にいらした皆さんも興味津々で聞いていました。


小森邦衛展は9月29日(金)までです。どうぞお運びくださいませ。

2017年9月15日金曜日

板室 中秋のお散歩野草図鑑

秋も深まってきました。風も湿度が少なく爽やかで、
朝の澄んだ空気の中、また昼の日差しの中でのお散歩はまた格別です。

さて、中秋の板室のみどころは三色に咲くコスモスだけではありません。
春と同じく気候のよいこの時期はお散歩道のいたるところに様々な種類の
野草が花や実をつけます。



河原に降りても気持ちのいいこの季節。
普段は見過ごしてしまう小さな野草たちに目を留めてみてはいかがでしょうか。


ここからは板室の秋の野草たちの一部をご紹介します。


犬蓼(イヌタデ)、ご飯に見立てて通称「あかまんま」


野葡萄(ノブドウ)、河原に蔓を伸ばしています。色とりどり実が美しい。


薄(ススキ)、この時期川原でもっとも目を引きます。穂から種が出てきているもの、穂が開いているもの、ススキひとつとっても様々。


溝蕎麦(ミゾソバ)、湯川のほとりに咲いています。小さな花なので見逃さないように…


釣船草(ツリフネソウ)、湯川と那珂川の合流地点の橋に見られます。渓流沿いの花。


草子赤麻(クサコアカソ)、赤い茎からふさふさ花が伸びています


露草(ツユクサ)、野原に転々と深い青が美しいです。


現証拠(ゲンノショウコ)、不思議な名前は下痢止めに効果が高いため


アメリカ栴檀草(アメリカセンダングサ)、茎が黒いのが特徴です


蓬(ヨモギ)、春には草餅にしましたが秋には実をつけて生薬などに


草牡丹(クサボタン)、釣鐘のように下がる花がかわいらしいです。


栴檀草(センダングサ)、小さな黄色い花をたくさんつけます。


雌待宵草(メマツヨイグサ)、月見草とも呼ばれています。


猪子槌(イノコヅチ)、ついているのは緑の地味な花です。


水引(ミズヒキ)、紅白のおめでたい水引に似ていることから。


嫁菜(ヨメナ) とても一般的な野菊です。


藪蛇苺(ヤブヘビイチゴ)、那珂川上流の奥、草葉の陰に赤い実をつけます


洋種山牛蒡(ヨウシュヤマゴボウ)、葡萄のようですが名前は牛蒡という植物


下野(シモツケ)、栃木で産出したことから名前がつきました。


杜鵑草(ホトトギス)、日陰に花を咲かせる日本固有種


山椒(サンショウ)、秋には真っ赤な実をつけ「実山椒」の原料に。


秋海棠(シュウカイドウ)、大ぶりのピンクの花は散歩中も目立ちます


野原薊(ノハラアザミ)、大黒橋の下など湯川沿いで見られます


玉紫陽花(タマアジサイ)、沢沿いに作紫陽花。まん丸の形から花開きます。


山紫陽花(ヤマアジサイ)、林の中に生えています。園芸種ではなく、野生の紫陽花です。


日々うつりゆく中で、野草も次々に交代していきます。
春夏秋冬飽きることのない野草、ぜひ探してみてください。

2017年9月1日金曜日

9月漆・小森邦衛 展

本日より大黒屋サロンにて「漆・小森邦衛 展 ー髹漆の人間国宝ー」の展示がはじまり
ました。



小森邦衛さんの展示は2014年より3年ぶり。本展でも「網代三段重箱」「曲輪造籃胎盤」をはじめとした大作から日常生活にお使いいただけるお椀まで幅広く展示しております。



輪島に生まれ、漆の職人として研鑽を積み2006年に髹漆の重要無形文化財保持者(人間国宝)に指定されました。「髹漆」とは漆の数ある技法の中で基本の技術とされる「塗り重ねる」技術。 余分な加飾をせず、素地を生かした漆本来の美しさをもった作品が特徴です。


代表的な作品である「籃胎」とは薄い竹を編み、その上に漆を塗り重ねていく技法。
漆の作品は80余の工程を経る分業の仕事により制作されますが、籃胎の作品は作家自らが
竹を編み、素地も含め一貫制作で行っています。


編んだ目の模様を損なわず漆を何層にも塗り重ねていく作業は「塗る」というよりも「こすりつける」作業に近いそうです。極薄の漆の層が何層にも重なった表面は繊細かつ艶やか光沢を持っています。


人間が漆を使うようになってから12,000年の歴史を汲み、制作をつづける小森邦衛。
本展示では100のお椀を特別に制作していただき、展示しています。
漆のついた道具は漆の保存効果ゆえにそのまま土中でも保存され、発掘されています。
漆が長く使えるうつわであることは歴史が証明しているので、ぜひ生活の中でお使いいただきたいとのこと。

アーティストトークは9月18日(月・祝)20:00〜大黒屋サロンにて。

ぜひみなさまお運びください。