11月の音を楽しむ会は、ピアノ 中橋健太郎左衛門さん、テノール 佐々木洋平さん、ソプラノ 田崎尚美さんによる大黒屋オペラ特別公演「ドイツオペラ ガラコンサート」を行ないました。ガラコンサートの「ガラ」とは祝祭などの意味で、様々な作品から名場面を抜粋して上演する形式のことです。
ウェーバー(1786-1826)作曲 歌劇「魔弾の射手」より マックスのアリア 「嫌だ!この苦しみは希望を奪い〜我は楽しくさすらった」イタリア歌劇で支配されていた時代のドイツに、自国語(ドイツ語)オペラ作品を確立した記念碑的作品の本作。主役のテノール、マックスによって第1幕に歌われる、絶望に満ちた語り部分と恋人との思い出を歌う旋律、劇的な管弦楽で表現されるスケールの大きなアリアを佐々木さんが披露。
ワーグナー(1813-1883)作曲 歌劇「さまよえるオランダ人」より 「ゼンタのバラード」7年に一度しか上陸を許されない呪いをかけられ大海をさまようオランダ人。絶望を救えるのは、乙女の献身的な愛だけである。未だ見ぬ運命の人であるオランダ人を想って歌う、劇的なアリアを田崎さんが披露。
リヒャルト シュトラウス(1864-1949)作曲 歌劇「ばらの騎士」より「イタリア人歌手のセレナーデ」貴族のお屋敷に楽しませにやって来る一団、その中の一人のイタリア人歌手によって歌われるアリア。ドイツ語作品ながら、イタリア人という設定なので、ここだけイタリア語で歌われる。
ヨハン シュトラウス(1825-1899)作曲オペレッタ「こうもり」より ロザリンデのチャルダッシュオペレッタとは、音楽に加えて、台詞(芝居)や踊りも加わったより娯楽性の強いもので、その子孫がミュージカルである。宴の中で、ハンガリー人に扮したロザリンデが歌うハンガリー風の楽しいアリアである。
ワーグナー(1813-1883) 楽劇「トリスタンとイゾルデ」より第2幕愛の二重唱 〜 全幕幕切れのイゾルデ「愛の死」ヨーロッパ伝統のいわゆるクラシック音楽に、一大革命を起こした画期的作品。媚薬とすれ違いによって愛し合うようになった騎士トリスタンとイゾルデ姫による、陶酔に溢れた二重唱から、全幕幕切れにイゾルデによって演じられる「愛の死」を続けて披露。
佐々木さんと田崎さんのしなやかで美しい歌声と中橋さんの流麗な旋律が織り成す迫真のガラコンサートを堪能できた音を楽しむ会となりました。 ご来場いただいた皆様ありがとうございました。
次回の音を楽しむ会は12月26日(土)、ソプラノ 西田真以さんです。 どうぞお楽しみに!