2021年11月26日金曜日

第216回 音を楽しむ会

 11月の音を楽しむ会は笛方 福原寛さん、囃方 梅屋右近さん、笛方 福原寛瑞さん、囃方 堅田崇さんによる演奏会を行いました。


開演のご挨拶後、「着到」の演奏で開始。


1曲目に福原寛さん作曲「寿万歳」を演奏。第一景「太夫と才蔵」、第二景「万歳」、第三景「また来る春」の3部構成からなる創作曲です。


2曲目に福原寛さん作曲「弄月」。


曲間には楽器の紹介もしていただき、


最後に6代目福原百之助さん作曲「会津幻想曲」を演奏して頂きました。


笛とお囃子の素敵な演奏だけではなく、楽器の説明を一つ一つ丁寧にしていただき、笛やお囃子の世界を、観て、聞いて、体感する、貴重な時間となりました。





次回の音を楽しむ会は12月26日(日)、三味線 佐藤通弘さんによる演奏会です。
どうぞお楽しみに!



2021年11月1日月曜日

2021年11月 野口悦士 展

  11月1日より大黒屋サロンにて「野口悦士 展」を開催しております。

野口さんは大学を卒業後、陶芸を志して種子島に渡り長年制作、アメリカ・デンマークなどでの滞在制作を経て、2016年から現在は鹿児島市を拠点に活動しています。
2006年より中里隆氏に師事。氏は唐津焼の人間国宝・中里無庵の家に生まれ、現代の唐津焼作家を代表する一人。野口さんは当時、中里隆氏が種子島や各地で制作する際に同行する機会が多く仕事の傍ら弟子として多くのことを学びました。独立後は種子島の南蛮焼締の作品を手がけることが多かったですが、現在はその種子島の土と鉄分の多い土を使用して制作しています。

シンプルでありながら多様な表情のお皿や鉢などの作品を多く手がけ、野口さんの現在の作風に多大な影響があったのが、デンマークのKH Würtzでの定期的な滞在制作でした。KH Würtzは世界の名だたるコンテンポラリーレストランの多くのうつわを手がけることでも知られています。

野口さんのつくる器は多様な表情があるのが特徴的ですが、様々な種類の釉薬を使用しているのではなく基本的には鉄分の多い土、釉薬も数種類のみで制作しており、焼成方法と釉薬の掛け方を工夫し様々な表情を生みだしています。また、近年多く手掛けている緑青、赤錆、白錆などと呼ばれる、一見、陶器とは思えないような作品は長い時間を経て、海に埋もれていたもののようでもあり、銅が酸化してできる緑青そのもののようです。このような独特なテクスチャーは4-8回も焼成することで生み出しています。

大黒屋での、初個展となる本展は、皿、鉢、カップ、盃、酒器、花器、掛花、壺など全208点を展示いたします。この機会にぜひご高覧いただけたら幸いです。

 


会期 : 2021 年 11 月 1 日 (月) - 11 月 28 日 (日) 9:00 - 17:00                ※展示は宿泊以外の方もご覧いただけます。