本日より大黒屋サロンにて「漆・小森邦衛 展 ー髹漆の人間国宝ー」の展示がはじまり
ました。
小森邦衛さんの展示は2014年より3年ぶり。本展でも「網代三段重箱」「曲輪造籃胎盤」をはじめとした大作から日常生活にお使いいただけるお椀まで幅広く展示しております。
輪島に生まれ、漆の職人として研鑽を積み2006年に髹漆の重要無形文化財保持者(人間国宝)に指定されました。「髹漆」とは漆の数ある技法の中で基本の技術とされる「塗り重ねる」技術。 余分な加飾をせず、素地を生かした漆本来の美しさをもった作品が特徴です。
代表的な作品である「籃胎」とは薄い竹を編み、その上に漆を塗り重ねていく技法。
漆の作品は80余の工程を経る分業の仕事により制作されますが、籃胎の作品は作家自らが
竹を編み、素地も含め一貫制作で行っています。
編んだ目の模様を損なわず漆を何層にも塗り重ねていく作業は「塗る」というよりも「こすりつける」作業に近いそうです。極薄の漆の層が何層にも重なった表面は繊細かつ艶やか光沢を持っています。
人間が漆を使うようになってから12,000年の歴史を汲み、制作をつづける小森邦衛。
本展示では100のお椀を特別に制作していただき、展示しています。
漆のついた道具は漆の保存効果ゆえにそのまま土中でも保存され、発掘されています。
漆が長く使えるうつわであることは歴史が証明しているので、ぜひ生活の中でお使いいただきたいとのこと。
アーティストトークは9月18日(月・祝)20:00〜大黒屋サロンにて。
ぜひみなさまお運びください。