髹漆の人間国宝 小森邦衛さんによるアートを語る会が行われました。
漆の歴史、採取方法、加飾や道具の話など「漆ってなに?」というところから、わかりやすく話してくださいました。
こちらは蒔絵筆。テン、タヌキ、イタチなどの動物の毛を使っています。特に良いのはネズミの脇毛の筆。昔は琵琶湖でネズミを獲る人がいたのですが、現在はいなくなってしまい、入手困難でとても高価になってしまったといいます。
今回の展示でも見られる網代の盆は、竹を薄く剥ぎ、編んだものに塗りを施す籃胎漆器です。竹の特徴として、木を素地とする木胎などに比べて時間が経っても痩せがなく、くるいが少ないといいます。竹は昔、定規に使われていたくらいですから、その安定性も頷けます。
漆の仕事は基本的に分業であり、木地屋、塗師、沈金師、蒔絵師など、それぞれの工程ごと専門の職人がいます。
しかし、小森さんは自分の展覧会で作品を発表するにあたり、誰かにお願いしてやるのではなく、自分で素地から手掛けようと思い立ちました。これが現在の制作の原点となっています。これこそ自分の作品と言えるものであり、初めて作品に「邦衛」というサインを入れても良いのではないかと感じたそうです。
しかし、小森さんは自分の展覧会で作品を発表するにあたり、誰かにお願いしてやるのではなく、自分で素地から手掛けようと思い立ちました。これが現在の制作の原点となっています。これこそ自分の作品と言えるものであり、初めて作品に「邦衛」というサインを入れても良いのではないかと感じたそうです。
作家と職人の違いや、お弟子さんたちのことなど、漆工芸の世界を掘り下げた話もあり、会場にいらした皆さんも興味津々で聞いていました。
小森邦衛展は9月29日(金)までです。どうぞお運びくださいませ。