板室温泉大黒屋では7月4日より大黒屋サロンにて「竹籠展」を開催いたします。
2021年、2023年に続き、3回目の開催となる本展では、生活と美のあいだにある竹工芸の世界を、改めて見つめ直します。竹は、縄文時代から現代に至るまで、日本人の暮らしと深く結びついてきた素材です。カゴやザルといった日用品から、農具・漁具、茶道・華道具、尺八や篠笛などの楽器、竹刀や弓、さらには日本家屋の建材に至るまで、その利用範囲は広く、文化の基層にまで根ざしています。なかでも栃木県は竹工芸が盛んな地域として知られ、その礎を築いたのが、栃木県出身の竹工芸家・飯塚琅玕斎(いいづか・ろうかんさい)です。大正から昭和にかけて活躍した琅玕斎は、それまで「道具」として扱われていた竹籠に、独自の意匠と構成美を持ち込み、「美術工芸」としての地位を築いた先駆者です。本展では、主に昭和から現代にかけての花籠を中心に、盛籠、掛花、炭斗など、用途も形態も異なる約100点の作品を展示いたします。出品作品は、竹工芸の蒐集・研究に長年取り組まれてきた専門家のコレクションの一部と、当館が独自に収集・選定したものとで構成されており、実用性と造形美が交差する魅力を伝える内容となっています。
会期 : 2025年7月4日(金) - 7月29日 (火) 10:00 - 17:00
※7月4日のみ13時から開館いたします。