2022年11月26日土曜日

第228回 音を楽しむ会

2022年最後の音を楽しむ会はヴァイオリニストであり、多楽器演奏家でもある新村隆慶さんによる演奏会でした。


今回はヴァイオリンだけではなく、フィンランドの民族楽器であるカンテレ、トイピアノ、古楽器サルタリーなどを使い、自作のオリジナル曲と即興曲を15曲演奏して頂きました。


それぞれの楽器、楽曲の音色で様々な情景を想像させてくれる新村さんの演奏。


暗い森の中を駆け抜ける情景や野原や海辺で風を感じている情景など、沢山の情景を想像させてくれました。


演奏会の後半には、楽器の他に、鈴、水の音など複数の音をルーパーという機材を使い、組み合わせ、アンプで流すという特殊な演奏形態を披露して頂きました。


「ヴァイオリン」

「サルタリー」

「カンテレ」

「トイピアノ」

「アンプ」


ただ、楽器を演奏するだけではなく、音を組み合わせたり、身の回りにある音を使ったりと「音の実験」を見ているような、不思議な時間でした。




次回の音を楽しむ会は2023年1月26日、チェロ 黒川正三さんによる演奏会です。

どうぞお楽しみに!

※ 2022年12月の音を楽しむ会は「休演」です。

2022年11月2日水曜日

2022年11月 小山厚子展

 11月2日より大黒屋サロンにて「小山厚子 展」を開催しております。


 岡山県、備前焼の中心地である伊部に工房を構え、父、小山末廣氏とともに作陶されています。六古窯の一つでもある歴史ある備前焼は、釉薬を一切使用せず、絵付けもしないというシンプルな焼き物。1200~1300度の高温で焼き、土の性質や、窯への詰め方、窯の温度の変化、焼成時の灰や炭などによって模様が生み出されます。備前焼は、高温で約2週間焼き締めるため「投げても割れない」と言われるほど堅く、すり鉢や、大きなカメ、壷が多く作られてきました。また、微細な気孔があり通気性に優れているため、切花が長持ちする花器としても知られています。 



 備前の女流作家としても多くのファンがいる小山さんの作品は、独特の轆轤使いによって歪んで見えるようでバランスの取れた、微笑ましくもあり渋い佇まいは唯一無二の存在感。他の作家には真似できない独自の作風を築き上げられています。 


 2019年以来3年ぶりとなる大黒屋での個展。本展では備前らしい、緋襷、カセ胡麻、窯変のきいた作品から、備前の土を使って作られる織部、灰釉、また近年制作されている磁器、ガラス釉の作品など200点弱、多様な仕事がご覧いただけます。渋い備前の花器や酒器は魯山人の作風を彷彿とさせるような作品に、カラフルでポップな動物の作品が共存する世界観をぜひご高覧ください。

 

会期 : 2022 年 11 月 2 日 (水) - 11 月 27 日 (日) 9:00 - 17:00
作家在廊日:11 月 2 日                 
※展示は宿泊以外の方もご覧いただけます。