2024年5月31日金曜日

2024年6月 安齊賢太展

 板室温泉大黒屋では5月31日より大黒屋サロンにて「安齊賢太 展」を開催しております。

1980年福島県生まれ。大学卒業後、会社員を経て京都伝統工芸専門学校にて陶芸を学び、その後渡英しダニエル・スミス氏に、帰国後は静岡にて黒田泰蔵氏に師事し、2010年福島県郡山市にて独立、現在も同地で作陶しています。安齊さんの黒のうつわは洗練されたフォルム、質感が特徴的です。粘土を成形し一度焼いた後に、磁器質の黒土に漆を混ぜたものを塗り、乾燥させては磨きあげるという作業をおよそ10回ほど繰り返し、最後にそれを焼きつけ磨きあげて仕上げます。漆は土台となる焼物に黒を定着させる糊の役目をはたしており、またうつわの強度を高めています。独自の制作方法でつくる作品は、独特の質感を伴い不思議と長い年月を感じさせ自然石のように固くも肌のような柔らかさを備えています。


以下、本展覧会にむけて

「自分が物を見る時に気をつけている事は、なんの構えもなく見るという事です。編集された空間ではそれもなかなか難しいと思いますが、その点で大黒屋さんは日々の生活に近いところで展示が見られる場所です。お茶を飲みながら、食事をしながら、庭を見ながら。お勧めは夜に温泉に浸かった後、暗がりの誰もいない場所で見る展示です。そんな中でスッと気になるものを見つけてもらえたら幸いです。嬉しいことに上野さんにも花をいけていただけるとのことで、それも楽しみにしています。どうぞよろしくお願いいたします。」 安齊賢太



本展では花器、壺を中心におよそ80点を展示いたします。近年は、中国、台湾、ニューヨーク、ヨーロッパなどでも展覧会を開催し、国際的にも活躍されています。一度触れたら忘れることのできない感覚、そんな美意識に働きかける作品です。ぜひご高覧いただけたら幸いです。


【特別企画】

花道家の上野雄次氏による、展示作品への「花いけ」を初日4日間限定(5/31, 6/1, 2, 3)で催しました。


会期 : 2024 年 5月 31 日 (金) - 6月 30 日 (日) 9:00 - 17:00

会期中の休館日:6月4,5,6,18,19,20日

*展示は宿泊以外の方もご覧いただけます。

*5月31日,6月7日,6月21日のみ13時から開館いたします。



2024年5月26日日曜日

第241回 音を楽しむ会

 5月の音を楽しむ会はチェロ 黒川正三さん、ピアノ 黒川文子さんによる演奏会でした。



今回の演目は...

            バッハ=グノー   アヴェ・マリア

            サンサーンス    白鳥

            メンデルスゾーン   協奏的変奏曲 作品17

            メンデルスゾーン   チェロソナタ 第2番 ニ長調 作品58

            メンデルスゾーン   歌の翼に

            ラフマニノフ      ヴォカリーズ

            作曲者不明       アメイジンググレイス


 

サンサーンス作曲「白鳥」では水面が美しく澄んだ様をピアノで、気持ちよく優雅に泳ぐ様をチェロの音色で表現して頂きました。

メンデルスゾーン作曲「チェロソナタ 第2番 ニ長調 作品58」は約30分もの大曲。メンデルスゾーンの人柄が存分に出ている、繊細で技巧的な一曲です。ピアノの技術の高さと音の数に圧倒されつつ、チェロの一音一音深く厚みのある音色に聞き入りました。

アンコールの「アメイジンググレイス」は“感動して泣きそうになり、すぐ部屋に戻った”というお客様がいる程、心に響く一曲でした。

お二人の人柄が溢れ出る、温かく、味わい深い音色を堪能できた音を楽しむ会となりました。





次回の音を楽しむ会は6月26日(水)、クラヴィーコード 内田輝さんによる演奏会です。

どうぞお楽しみに!