世の中に たえて桜の なかりせば 春のこころは のどけからまし
もし世の中に桜というものがなかったら、心をざわつかせることもなく春をおだやかに過ごすことができるだろうに…とは平安時代の文学伊勢物語に登場する和歌。
今も昔も、変わらず桜は私たちにとって特別な景色。
板室でも4月中旬から5月上旬にかけて次々と移り変わる桜のさまざまな美しさをご覧いただくことができ、今年も私たちの目を楽しませてくれました。
染井吉野の見頃は例年4月下旬ごろ。板室温泉街の並木はもちろん、河原の並木、大黒屋敷地内などいたるところで満開になります。
芽吹きはじめる木や草花ごしに松の館客室から。夜にはライトアップされます。
桜が満開の頃の河原にはベンチが設置されます。ゆっくり座って見上げながらの花見などいかがでしょうか。
染井吉野が満開の頃の夜、好天の日を選んで夜桜の会が行われます。
ゆらめく松明の火で眺める桜はどこか妖艶な、普段とどこか異なるものに見えるのが不思議です。
枝垂れ桜の咲き始める例年4月下旬ごろには大黒屋の中心を流れる那珂川に鯉のぼりが100匹ほどかかります。
梅の館、そして河原をお散歩中に桜と鯉のぼりの目にも鮮やかな共演を楽しめます。
河原には色の濃い別種の桜も。染井吉野が散り始めた頃に見頃になります。
例年4月末ごろ、枝垂れ桜が満開を迎えます。梅の館の正面の枝垂れ桜は客室から見ると桜のシャワーのよう。染井吉野が終わってもお花見は続きます。
そして最後は八重桜。5月上旬ごろに木庭風の耕路や梅の館の裏庭で見ることができます。木ごとに色の違いがあり、1つ1つ見て回るのも楽しいですね。
今年は春の始めにあたたかく、すべての桜が2週間早く咲きました。例年の暦から少しずつ時期がずれることもあり、大黒屋Facebookにて桜の開花情報をアップしていますので、ぜひご参考に、来年もお楽しみに…
散ればこそ いとど桜は めでたけれ 憂き世になにか 久しかるべき
桜は散るからすばらしい、この世には永遠のものなどないのだから…とははじめの伊勢物語中の和歌の返歌。もし急ぎ足で散ってしまっていたら、ごめんなさい。