6月の音を楽しむ会は謡・舞 川口晃平さん、笛 熊本俊太郎さん、太鼓 姥浦理紗さん、地謡 小田切亮磨さん、鷹尾雄紀さんによる能の公演でした。今回は地謡2名も加わり、これまでの公演よりもさらにスケールアップ。5人が作り上げる能の世界はより一層厳かな空気感を作り上げておりました。
今回の演目は...
高砂
敦盛(長良川薪能版)
船弁慶
羽衣
梅雨時期の音を楽しむ会ということもあり、外は雨模様。雨に濡れた緑が美しく輝く中、「高砂」で開演。
平知盛の怨霊が義経一行を海底に沈めようと薙刀を荒々しく振るう場面が特徴的な「船弁慶」。覇気のある川口さんの舞と緊迫感を与えるお囃子の音色と地謡の歌声は、想像力を掻き立てます。
幕間には、熊本さん、姥浦さんによるお囃子の説明も。曲の雰囲気作りや拍子を意味する掛け声の解説は、会場にいるお客様も「ヤ」「ハ」「ヨーイ」「イヤー」と声を出し、発声後は笑い声とともに感嘆の声も聞こえてきました。
お囃子の解説後は装束着けを実演。普段なかなか見ることのできない裏側のこと、音を楽しむ会だからこその機会に、お客様も興味津々でした。ただ、着るだけではなく、装束の年代や意味、お手入れ方法など、詳しい説明もあり、わかりやすく、能の世界により興味を持つことができました。
最後の演目は天女の装束をつけ「羽衣」を。装束のきらびやかさだけではなく、舞の美しさも相まって、神々しく、心身が清まる感覚さえありました。
650年以上もの長い歴史を持ち、世界最古の演劇の一つとしても知られる「能」。物語に込められた深い人間模様は、現代に生きる私たちにも共感と感動を与えてくれました。
次回は7月26日(土) ヴァイオリン 青木高志さんによる演奏会です。
どうぞお楽しみに!