今月のアートを語る会は、現在開催中の陶展の
作家である伊藤文夫さんを招き、18日に行われました。
伊藤さんがやきものに興味を持たれたのは高校生の頃。
お坊さんに憧れを抱いていた伊藤さんは陶芸家のろくろに
向かう姿が、お坊さんと重なり引き込まれていったそうです。
高校生の頃はストイックなものに憧れていたと語ります。
日本中をヒッチハイクなどで周り、向かった先のお寺で
座禅をくませて頂いたり、陶芸の修行時代を経て25歳の若さで
故郷の須賀川に窯を築きます。鉢の子窯と名付けられました。
鉢の子とは托鉢のことで、ものを入れたりご飯を食べたりと
その万能な器を作陶の原点とし名付けられました。
俳人 尾崎放哉の「入れものがない両手で受ける」という句の
話をされ、質素だがありがたみを感じ、そしてその手のような
器が作りたいと おっしゃっておりました。
土や炎のもつエネルギーを大切に制作し、自然に常に感謝して
暮らす伊藤さんらしいお話でした。
伊藤文夫さんHP
大黒屋ブログ:2015.5.1 伊藤文夫展 紹介