2016年11月19日土曜日

和のしつらい展 アートを語る会

 現在サロンで開催中の「和のしつらい展」から染色の久保紀波さん、日本刺繍の飯島桃子さんによるアートを語る会が行われました。


 もともと大学で染色を学んでいた久保さん。作家になろうとしていましたが、企画的なことをしたいと思い立ち、扇子を作る会社で働くようになります。染色を仕事にすることができて、自分の日本画の制作もできるということもあり、9年間扇子の企画をしていました。


 飯島さんは大学では油絵の学科の出身です。日本刺繍は絵にも通じるところがあり、手先が器用ということもあって、美大を卒業した後先生を探し、弟子入りすることで十数年学んできました。伝統工芸をやりたいというよりも、自分の作品を作りたいという思いがありました。
 

 こちらの日傘は 柄が長く、小ぶりで特徴的な形をしています。久保さん自身が麻素材の白い日傘が欲しいと思い探したときに、なかなか良いものが見つからなかったことから作ることになりました。
 手織麻に 柄は桜の木、軸は樫の木を使っており、良い素材にこだわるだけでなく、着物を着たときに姿がとても美しく見えるのも魅力です。


 自分たちの得意分野や、過去に勉強してきたことをどう仕事にするかは非常に難しい選択ですが、思い切って方向転換したことでこのように創り続ける道を拓いたのです。


 最後に制作する上で3つのキーワードとなる言葉をいただきました。

 飯島桃子   ◯ 生き生きと のびのびと

        △ リズムよく
        ◻ 色の組み合わせを楽しむ

 久保紀波   ◯ 欲する
        △ 作る
         ◻ 伝える



 和のしつらい展は11月29日(火)までです。ぜひお運びくださいませ。