雪も山頂に残すわずかとなり、板室も遅い春の気配が感じられるようになりました。
花は桜、とは申しますが板室だからこそ楽しめる花というのは、やはり野の花です。
お散歩中にふっと目に止まる控えめながら可愛らしい花々。
今回はその花暦をご紹介いたします。
3月中旬〜下旬、ただいまの季節はふきのとう。
ゆめ二つ 全く違ふ 蕗のたう 赤尾兜子
お庭「風の耕路」や器の展示室の周りの地面に緑と薄い黄色が見えたら
それはふきのとうです。蕗のこの季節だけの可愛らしい花のような姿。
3月下旬はミズバショウ。
大黒屋の入り口付近を流れ、那珂川に流れ込む湯川の中に現れます。
今は雪解け直後で姿が見えませんが…
間もなくこんな可憐な春の代名詞が顔を出すでしょう。
4月上旬はカタクリ。
大黒屋の玄関横、「風の耕路」入り口に毎年ピンクの花を咲かせます。
昨年から大黒屋に加わった作品「ヒカリ溢ルル」との共演も早春の楽しみです。
5月、ゴールデンウイークを過ぎると新緑が美しい季節。
緑という色はこんなに多彩なのだなということを気づかせてくれます。
大黒屋の付近にあります沼っ原湿原の通行止め解除は4月中旬です。
6月はヤシオツツジ、7月中旬のキスゲと湿原の花暦が楽しめる季節になります。
春の訪れにともない、凍結のため止まっていた西中千人さんの作品「ヒカリ溢ルル」の
蹲への水の流れが再開しました。
先日の朝の冷え込みで少しだけ凍ったこともありましたが、水琴窟の音を聞くと
春の訪れを感じます。
板室ならではの野の花。少し暖かくしてお散歩してみてください。