今月の音を楽しむ会はフルート 森川道代さん、ピアノ 安宅薫さんによる演奏会でした。
今回の演目は...
♪ R.ギオー マリオン組曲より第一楽章
♪ A.F.ドップラー 「 3つの小品」より
・子守唄
・ マズルカ
♪ C.A.ドビュッシー
・小舟にて
・小さな羊飼い
・亜麻色の髪の乙女
♪ ジュナン ヴェニスの謝肉祭(Picc.)
♪ ダマーズ 演奏会用ソナタ
今回は森川さんの恩師でもあるレイモン・ギオー氏作曲の「マリオン組曲より第一楽章」で開演しました。
音楽の「抽象主義」とも呼ばれているC.A.ドビュッシー。彼の作る曲は「色」を連想させるものがあり、光や水面のきらめきといった視覚的な印象や雰囲気を「音」で表現しています。森川さん、安宅さんの奏でる「亜麻色の髪の乙女」はフルートの音色も相まり、より音が、空間が澄み切って感じられ、木漏れ日が差し込む森林の中に佇む女性を想起させます。中盤以降の曲調は女性の姿をどこか懐かしむような哀愁も感じられました。
曲間のMCでは作曲者や時代背景、楽器の説明など、森川さんの楽しいMCもありました。ジュナン作曲「ヴェニスの謝肉祭」で使用したピッコロは161年前のものなのだとか。歴史好きの森川さんは池田屋事件に触れながら、長い間大切に保管され音を紡いできたことを嬉しそうに説明しておりました。フルートよりも甲高い音色のピッコロ。細かい音の粒が連なる圧巻の演奏に会場からは大きな拍手が起こりました。
アンコールには「カラスなぜ泣くの」でおなじみの童謡「七つの子」を演奏。テレビ番組「8時だョ!全員集合」で志村けんさんが「カラスの勝手でしょ」と替え歌したことにより、幅広い世代に認知されている曲です。替え歌による明るく元気な印象でしたが、フルートとピアノの清らかな音色により、清澄さも感じられ、曲に対する印象が大きく変わった一曲となりました。
次回は11月26日(水)ピアノ 石田多朗さん、笙 中村華子さんによる演奏会です。
どうぞお楽しみに!



