2018年5月27日日曜日

第182回 音を楽しむ会


5月の音を楽しむ会は笛の福原寛さんと高木瑞記さん、囃子の山田崇さんによる演奏会が行われました。福原さんからは「今回の演奏では色が変わるように曲や楽器を選びました。お客様に楽しんでいただければと思います。」とお話をいただきました。


1曲目「三井の晩鐘」。福原さんの笛を聴きながら大黒屋の庭を眺めると風で木々が揺れていました。目と耳で景色を感じると情緒的な美しい世界が広がります。そこに高木さんの笛も加わることでより一層色のある景色に変わりました。


2曲目「竹の踊り・竹の唄」は竹林の葉と葉が触れ合い、竹同士が呼応して歌っている様を描いた曲。笛の音を聴いていると不思議な感覚が起こります、聴いている笛の音とは別に耳の奥で響く音が聞こえてくるのです。聴く音と聞こえる音、この2つの音のハーモニーが楽曲に心地よさを生み出していたように感じました。


10種類の楽器を演奏し分ける山田さん。お芝居の裏手で使われている楽器もあり、演奏されている姿を見ることはとても興味深いことでした。


3曲目「樹々の密」は福原さん曰く「森の一日」を体感できる楽曲。序盤は福原さんと高木さんが静かに呼応して演奏、生命の嘶きと胎動が感じられます。中盤は絶妙な間の掛け合いが繰り返され盛り上がりを魅せます。リズミカルな曲調からは生命のダイナミズムが表現されていました。終盤はゆったりと自然の壮大さを讃えた音色へ。夕日を眺めるようなノスタルジックな気分に。


4曲目は福原さん作曲の「宝船」。宝船に乗ってやって来る七福神を表現した楽曲。全9パートからなる大作で華やかに演奏会を盛り上げてくださいました。笛と打楽器の魅力満載の素晴らしい演奏会でした。





次回の音を楽しむ会は6月26日(火)、津軽三味線の佐藤通弘さんです。
どうぞお楽しみに!