2018年10月2日火曜日

10月 八木史記展

大黒屋サロンにて第12回大黒屋現代アート公募展大賞受賞者 八木史記展が始まりました。


本展ではセメントとステンレスを用いた作品を中心に22点展示しています。


学生時代に人体や抽象的な形を石膏やFRP(繊維強化プラスチック)、テラコッタ粘土など様々な素材で制作していく中で現在のセメントやモルタル、コンクリートを用いた制作スタイルに決まったといいます。


八木さんは中学生の頃に新幹線線路の巨大な橋脚を見た時、夕暮れの暗闇に浮かぶコンクリートの巨大な塊に絶望的な印象を持ったという体験をしたそうで、この原体験が作品制作の基礎にあるといいます。

本展では、人工物の象徴であるセメントと人の生活の営みの象徴である生活雑器を融合した作品があります。


近年自然災害が多発する中、作品制作においてセメントやコンクリートの持つ意味の幅が広がったそうです。人と自然、人工物で自然の形を作ってみたらどうかと思い制作したのがこちらの木の作品シリーズです。


こちらは建築物が蔦に覆われている様子を転換して制作されたもので、ろう付けしたステンレスとセメントを組み合わせた作品になっています。


本展にあたり「大学から現在までの制作活動でやってきたことを全て見せたい」と意気込んで制作してきた八木さん、「人工的な素材を使った作品ですが、温かみのある雰囲気を感じて見ていただけたら良いなと思います。」と話していただきました。


アーティストトークは10月18日(木)20:00-21:00。展示は10月30日(火)まで開催しております。
ぜひご覧ください。