2019年10月14日月曜日

10月 小山厚子 展

10月1日より大黒屋サロンにて「小山厚子 展」が開催されております。


小山厚子さんは、岡山県、備前焼の中心地・伊部に工房を構え、父、小山末廣氏と共に作陶されています。生まれ育った備前の土の魅力を引き出すことに向き合い、土と対話するかのような独特の轆轤使いによって歪んで見えるようでバランスの取れた、微笑ましくもあり渋い佇まいは唯一無二の存在感です。近年は、備前の土を活用した色絵、粉引、志野など様々な作品を発表し注目を集めています。


今年で作陶20年目、「作ることが好き」だと語る小山さん。釉薬を使わず焼き方によって変化をつける備前焼は焼きによる生地の”ぬけ”(器を重ねて焼いた時に出る表情)が綺麗かどうかなど素材の土の自然な味わいを引き出すことが大切だと言います。


轆轤制作は「ひきながら良い形、面白い形を見つける」、手の感覚を辿りながら直感的に悩み探究する作業を繰り返す様は問答のようなもので学びの結果として形が表れることは制作の喜びにも繋がっているそうです。


先に手が動いて作られた形に後で名前をつけたという動物シリーズは今年の夏500体制作したそうで、新しい仕事は短時間で行い一瞬の感覚を見ること、”今”に反応することを常に意識していると言います。


本展では、今までの作品を掘り出して時間が経って見るとまた違う見方ができて新しいものを作りたくなる、という小山さんの創作活力に満ちた作品群、緋襷、窯変をはじめ、人気の銀彩や粉引色絵、紅志野など、10年以上前に制作したものや最新作など合わせておよそ130点を展示いたします。備前の文化と小山さんの独創性が融合した器をぜひ会場で手にとってご覧いただければ幸いです。

会期:2019年10月1日(火)− 10月30日(水) 9:00 - 17:00