2020年9月5日土曜日

2020年9月 小森邦衛 展

9月1日より大黒屋サロンにて「小森 邦衛 展」が開催されております。


小森さんは石川県輪島生まれ、2006年に「髹漆」の人間国宝として認定されました。
「髹漆(きゅうしつ)」とは漆を箆や刷毛で素地に塗ることをいい、素地を堅牢なものにするための下地を施した後、様々な上塗り(仕上げ)をします。小森さんは下地から上塗りまですべての工程を行い、漆本来の持つ美しさを長年追求しています。


その技は「籃胎(らんたい)」という細い竹を編みこんだ器に生かされ、表面に凹凸がある為に研ぐことができない網代にも、刷毛目を残さず、なめらかな底艶のある塗りに仕上げています。また自身で真竹を切り出して乾燥させ、細かく削魏、それを花編み、開き編み、閉じ編みなどを駆使し、曲輪で縁を作る工程まで、全て自身の手で行っております。重要無形文化財保持者として技術の高さをみることができます。


大黒屋での本展示では、籃胎、網代、曲輪、重箱、盆、椀、酒器など、貴重な作品およそ80点を展示いたします。脈々と続いてきた日本最高峰の技をぜひご覧ください。また、小森さんが長年続けていらした俳句の作品10点を特別に展示いたします。俳人としての側面もお楽しみいただけるこの機会にご高覧いただけましたら幸いです。


会期:2020年9月1日(火) − 9月29日(火) 9:00 - 17:00
作家在廊予定日: 1,2,3, 19,20日
※展示は宿泊以外の方もご覧いただけます。