2019年10月29日火曜日

第199回 音を楽しむ会

10月の音を楽しむ会はチェロ黒川正三さんとピアノ黒川文子さんによる演奏会が行われました。


バッハ 無伴奏チェロ組曲第一番よりプレリュード、クラント、メヌエット。黒川正三さんのチェロソロ演奏、秋の宵に向かう板室にゆっくりと静謐な音色が響き渡り、会場のお客様を音楽世界に惹き込んでいくようでした。


黒川文子さんのピアノソロ演奏、ショパン 幻想即興曲。会場を舞踏するように旋律がぱっと煌びやかに鳴り渡り、二人の音色を一緒に聴いたら素晴らしいだろうな、と次から始まる演奏が楽しなる予感がしました。


お二人の演奏によるグリーグ チェロソナタ。ノルウェーの自然を想起させるような3楽章からなる楽曲の中には、森の木々の隙間に吹く風や琥珀色の草原の上を飛んでいるかのような景色など音楽からイメージが感じられる部分と、お二人の演奏する凛とした姿が目に映って鋭い弦と鍵盤の音が心にグッと響く部分とがありました。最終盤では曲のイメージとお二人の姿が同時に目に映るようなドラマティックで美しい音楽世界が展開されました、素晴らしく感動しました。


アンコールは演奏会の余韻を残すように爽やかできりっとした「白鳥」と、じっくりと味わうように濃醇な「ヴォカリーズ」を披露していただきました。
お二人の音楽の魅力を存分に堪能できた素晴らしい音を楽しむ会でした、ご来場いただいた皆様ありがとうございました。




次回の音を楽しむ会は11月26日(火)、蓮沼執太さんです。
どうぞお楽しみに!