2017年5月19日金曜日

鈴木孝幸 アートを語る会

 現在サロン展示中の鈴木孝幸さんによるアートを語る会が行われました。大黒屋での展示は2回目となります。


 7年前の展示では「現場」「触」「境界」の3点のキーワードを掲げていましたが、その間様々な制作を経て、ものを俯瞰(ふかん)した見方が加わりました。今回はそのうち「現場」という言葉が「場所」に変わり、より広い意味合いへと変化しました。
 

 今回は「川をさかのぼるいし」と称し、大黒屋の目の前を流れる那珂川を大洗の海から上流に向かい逆流してきたことで作品が成り立っています。拾ってきた石や金属、プラスチックの欠片など水が運んできたものを組み合わせており、自身で拾う、運ぶ、移動する行為が重要なポイントになっています。



 今回の展示に至るまでの、中之条ビエンナーレやお住まいの愛知県新城市などでの活動についてもお話してくださいました。作品の素材も石や木だけでなく、鈴木さんの行為や流れる水に結びつけることのできる人工物ートタン板やテグスなど、範囲が広がってきたといいます。


 サロンの中だけでなくこの日、更に屋外に追加された作品があります。那珂川下流で拾った石を大黒屋の前を流れる上流に戻すというまったく新しい形のものです。
鈴木孝幸展は5月30日(火)までです。鈴木さんが運んだ石は8個ありますので、是非探してみてください。